85 『史記』の講座に復帰! ≪2≫
カルチャーセンター『史記』の講座の先生が、引き籠らざるを得ないコロナ禍を利用して出版された『史記』関係の本を、ぼちぼちと読んでいます。
(本当は先生のお名前も本の題名もきちんと書きたいのですが、私の知識が未熟なために先生の言葉への解釈が間違っていると大変なご迷惑をおかけするので、曖昧なままにします)
そうそう、本のお値段は6千円でした。
「4千円に設定できていれば、もっと皆さんにお勧めしやすくなるのに」と、先生はぼやいていらっしゃいました。
自費出版した小説やエッセイの本をさばく苦労は身近で見聞きしてきましたが、学術書の出版も大変なようです。
出版すれば書店の棚に並べられて、いつのまにか完売してしまう本のほうが、世の中、きっと少ないのではと思います。
ところで先生は『史記』関係の本をすでに何冊か出版されていて、『史記』の講座に通い始めたころに、その中の2冊ほどを手に取ってぱらぱらと読んだことがあります。すでに絶版となっているとのことで、それらは買い求めることは出来ませんでしたが。
もう6~7年昔のことですが、ぱらぱらとページを捲ったその時に思ったことは、「難しすぎる!」でした。
私、正直に感想を言いましたよ。
「先生は広い中国のあちらこちらに出向かれて、実際にその場に立たれて検証されている。本の中に使われている写真は全部、先生がその場所で撮られたものだし。
しかし、これは学術書なのだということはわかってはいるのですが、素人の私としては、もう少し紀行文的な要素を加えてくだされば、楽しくて読みやすいのにと思います。
なんかすごくもったいないと……」
先生、さぞかしむっとされたことだと思うのですが、その感情は顔には出されませんでした。ただし、返事はなかったですね。(笑)
いまから思えば、なんと偉そうなことを言ってしまったことでしょう。
今でも時々思い出しては反省しています。
しかし、今回の本はすごく読みやすかったのです。
で、今回も正直に「読みやすくて、書かれていることがすっと頭に入ってきます」と、感想を言いました。
そうしたら、「それは前回の講座で、〇〇さんが熱心に勉強されたからです」との返事が返ってきました。
そして続いての私の感想
「この本に使われている写真も、先生が講座で使用される写真やビデオも、全部、現地で先生自身が撮られたものであることに、いつもすごいことだと思っています」
それに対してのシャイな笑みを浮かべての先生の返事。
「難しい学術書はこれを最後にして、次は新書で『史記をめぐる中国の旅』のような読みやすく親しみやすい本を書きたいと思っています」
まさか、もう何年も前の「素人も読んで面白いと思う紀行文」と言ってしまった私のセリフを、先生がおぼえていらっしゃるとは思えないのですが。
でもでも、いつか先生が書かれる『史記をめぐる中国の旅(仮題)』という本の第一番目の読者になりたいと、心の中でガッツポーズをした私はひそかに思ってしまいました。
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