76 昔々の同人誌活動の思い出 ≪2≫




 前回より、<男の書く中華小説&女の書く中華小説>について書くつもりだったのだけど、前ぶりに昔々に在籍していた純文学系同人誌のことを書き始めたら、筆が止まらなくなった……。(笑)


 それで削除して、もとの<男の書く中華小説&女の書く中華小説>に話を戻そうと思った。しかし近況ノートに「その時代のことを知りたい」というコメントをいただいたので、あらためて題を<昔々の同人誌活動の思い出>と変更して、続きを書くことにする。



 そうそう、当時、同人誌といっていたのか、同人雑誌といっていたのか、記憶が定かでない。


 同人誌というと、いまどきの二次創作満載でコミケで売られているものを連想される人が大半ではないだろうか。それで、混同を避けたいということで同人雑誌という言葉を使った。


 でもやはり同人誌かな。


 ……ということで、これから書くものについては同人誌で統一します。




 ところで実を言うと、青春ならぬ中年期の20年を捧げた同人誌での経験は、私にとっては思い出したくもない黒歴史だ。


 思い出したくもないのに、なぜか今でも時々突然に走馬灯のように頭に浮かぶものだから、後悔の念に「うわ~~!」と叫んでいる。


 でもいろいろと書き散らかしているものとしては、(恥ずかしくて、物書きとか小説家という言葉は使えない)、心の奥底に、これらのすべてを書き残しておきたいという強い想いもあるのだ。


 そして書いてしまえば、もしかして、いまだに私を苛んでいる過去の同人誌活動という幽鬼の正体を知ることができて、解放されるのかもとも考える。


 俗にいう『幽霊の正体を見たり、枯れ尾花』だ。




「恥知らず!」と叫んだ母に、振り上げたパイプ椅子で思いっきり殴られたこと。


 年に二度、銀行口座に振り込まれた夫のボーナスの金額をみて、「これを全額引き出して、小説が書ける静かなところに逃げよう。最期は富士山麓の樹海がある」と思い続けたこと。


 仲間内の妬みや、さすが物書きの集まりだと感心するような、上手な足の引っ張り合い。


 でも、人生の宝物だと思うよい思い出もたくさんあるのも事実……。





 ではこれから、まだふさがっていない傷口から血が噴き出るようなものや、差しさわりがあって書けないものを分別しつつ、(笑)、ぼちぼちと連載します。





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