64 ファンタジーの世界は烏が大流行り ≪1≫



 <カクヨム>で掲載されている作品ではまだ読んだことがないのだけど、書店のファンタジー小説コーナーでは、<からす>のつく題名の小説が多い。それもほとんど大ベストセラーとなっているものばかり。


 私は<からす>は苦手で……。


 現実の世界の私は主婦なものだから、ゴミ出しの日に、ゴミステーションに居座っている黒い烏が怖い。

 怒った烏は人を襲うらしい。

 巣のある木の下をうっかり通った夫が、襲われて追いかけられた。


 嫌いなものが出てくる小説をわざわざ買ってまで読みたくもなかったし。


 それと、自分の書く小説に、初めは動物を登場させるつもりもなかった。

 実を言うと、<モフモフ>という言葉を知ったのも、カクヨムで小説を書き始めてから。


 人の言葉を喋らない動物を、人と絡ませて活き活きと描写する自信がなかった。


 でも、白麗シリーズで馬の黒輝をちょこっと登場させたら、これが面白くて。


 そして、龍も登場させたら、なんとなんと、白麗シリーズが、俄然、ファンタジー小説ぽくなるのが楽しくて。




 それで「烏なんて嫌い」と食わず嫌いなことを言わずに、積極的に読んでみることにした。




 ……ということで、いま読んでいるのは、篠綾子さんの日本の江戸が舞台の時代小説『小烏神社奇譚』3冊。


 人間に変身する烏や蛇が出てきて、主人公は陰陽師でと、内容はかなりファンタジー小説っぽい。


 でも出版社の扱いは、ファンタジーでもライトノベルでもなく、時代小説となっている。

 ブックカバーの絵もアニメ調ではないし。




 動物がどういう感じで人と絡むのかということと、ライトノベルと大人向けエンタメ小説の違いなどを、この『小烏神社奇譚』から学ぼうと思っている。





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