62 あさのあつこの『弥勒シリーズ』が大好きだ ≪6≫



 この『私、中華ファンタジー小説をまじめに勉強します!』のどこかにすでに書いていることなのだけれど。




 <カクヨム>で中華ファンタジー小説を書こうと思い立った時、中華ものを書く参考にと、まず中華ものと言えば宮城谷昌光さんということで、宮城谷さんの本を数冊買った。


 しかし宮城谷昌光さんの小説は、私にはおもしろく読み進めないというか。

 歯が立たないというか。

 自分の書きたい小説の世界ではなかった。




 それで次は、北方謙三さんの『水滸伝』を買った。


 アマゾンの書評で大絶賛されていた。

 華流時代劇ドラマで見た時もおもしろかった。


 しかしながら、北方謙三さんの『水滸伝』は、確かに登場する男たちは強くて天下国家を真剣に憂えて、魅力的なのだけど。

 女たちはあまり登場しなくて。

 そのうえに登場しても、その描かれ方が男たちの添え物的扱いで。


 女性向けの中華ファンタジー小説を書きたかった私は、2巻でギブアップ。





 そして、次は夢枕獏さんの『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』。


 唐に渡った僧侶・空海が主人公で、魔術あり呪術ありで、宮城谷さんや北方謙三さんの『水滸伝』とは違って、これぞ中華ファンタジー小説。


 でもでも、ストーリーの展開は面白くても、文章そのものが……。


 情感たっぷり過ぎるくらいの、ねちねちくどくどした文章が大好きな私には、そこのところでストーリーの中に浸れなくて。

 

 ついに、女性の服装の描写の中で<パンタロン>という言葉が出て来たところで、ギブアップ。(笑)




 そのうちに、ライトノベル小説の中に中華ファンタジーというジャンルがあることを知った。


 富士見文庫とか角川ビーンズ文庫とか。

 それから<カクヨム>のアップされているものを読み漁った。


 これがおもしろくて、ハマった、ハマった!


 しかし2年くらい読み漁っているうちに、だんだんと宮中という狭い世界観と若い登場人物たちばかりという設定に物足りなさを感じて来た。

(これは、たぶん、私自身の年齢がおおいに関係しているのだと思う)




「女性作家の書く、大人向けの中華ファンタジー小説ってないかしら?」

 そう考えて探したのだけど、意外とこれがないのだなあ。


 それで、小野不由美さんの『十二国記』の続編とか、上橋菜穂子さんの『鹿の王』を読んだ。


 しかし、『十二国記』や上橋菜穂子さんの書かれた小説は……。


 <カクヨム>で少し軽めの中華ファンタジー小説を、あまり深くテーマとか辻褄合わせとか考えることなく楽しく書きたいと思っていた私には、少々、その内容が重すぎた。


 というか、ここまで練り上げた世界観は、そもそも私には無理だ。





          ――≪7≫に続きます――





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