47 一夫多妻(メリットとデメリット) ≪9≫
たぶん、世の中の多くの男性の憧れであろうと思われる『一夫多妻』。
男が一夫多妻のハーレムに憧れるのなら、子を生んで育てる女は安定した生活に憧れる。貧乏な男の妻となって苦労するのなら、大金持ちの妻の一人となって、贅沢に暮らしたい…。
本当か嘘かは定かではないけれど、家事労働は後から来た若い嫁が担うようになるので、古参の妻が、「あなた、そろそろ次の妻をもらってよ」と言い出すと聞いたことがある。
昔は普通のことだった一夫多妻婚。
それを近代国家となる歩みの中で、なぜ法律まで設けて、重婚として禁止するようになったのか。
女性の地位が向上したからだという理由は違うのだそうだ。
『富国強兵』のための国家的政策であるらしい。
一人の男が後宮に三千人の美女を囲ったところで、生まれる子どもの数は、どんなに男が頑張っても、せいぜい数百人。
これが3千人の美女がそれぞれに夫を持って子どもを数人生めば、単純に計算しても子どもの数はすぐに1万人を超える。
その国にとって、働き手と兵士がどんどんと増えるという訳だ。
ところで、一夫多妻が出来る金も社会的地位もある男は、当然ながら一度娶った女は一生涯その面倒をみなければならない。
しかしながら、世の中には、了見の狭い男もケチな男も当然ながらいる。
飽きた妻をどのように捨てるか。
恨みによって、妻に殺された男たちもいるに違いない。
憧れのハーレムも、男の甲斐性しだいでは、あっというまに地獄になるという訳だ。
後宮やハーレムでの寵愛を巡って女同士の争いを描いたドラマや小説は、飽きるほどたくさんある。
ちょっと目線を変えて、一夫多妻の中で、妻同士が手を組んでの反乱をテーマにした小説やドラマなんてどうだろうか。
後宮ものだと、それで国が滅び、自由を手に入れた女たちがほくそ笑むとか。
新鮮で面白いのではないかと思うのだけれど。
長々と書いてしまった『一夫多妻』も、今回でお終いです。
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