43 一夫多妻(政略結婚) ≪5≫



 一夫多妻とか美女三千人のハーレムとか後宮とか。

 本当に、世の中の男性すべての望みであり憧れなのだろうか?


 日本の戦国大名には、昨年の大河ドラマ主人公の明智光秀を代表として、側室を持てる立場でありながら、一夫一妻だった男性も何人かいたようだ。


 史実と謳う韓流や華流時代劇ドラマで、妻は一人だけというのを貫いた皇帝というものも見たことがある。




 意外と、女は愛する妻一人でよいとか、大勢の女性と関係するのは面倒だとか、女性とあれこれするよりもっと楽しいことがあるという男性も、数こそ少ないかも知れないが、どの時代にも一定数はいるのではないかと想像する。


 そういう男性にとっては、毎晩、妻を替えて子作り励むことを強要されるハーレムや後宮の存在は、苦痛に満ちていたのではないだろうか。




 政略結婚で、皇帝の多くの妃の一人とならなければならない女性の悲哀ばかりが小説やドラマで強調されるが、政略結婚で、多くの妃を持たなければならない皇帝の悲哀というものもあるのではないか。


 華流時代劇ドラマで、朝廷で権力を持つ家臣に、「その案件を私が朝議で賛同する条件として、妃となっている我が妹との間に必ずお子を生してください」と、皇帝が脅されるシーンを見たことがある。


 また、飢饉の対策として豪商に財政援助を頼んだ時、「では交換条件として、我が娘をぜひ後宮のお妃の一人にお加えくださるように」と、これまた、皇帝が脅されているシーンも見た。


 その後、「掃いて捨てるほどのいる子どものうちの一人くらい、あの男には惜しくもなんともないのだろう。運よく、朕との間に子でもできれば、あいつにとっては棚からぼた餅だ」というようなセリフを、苦々しく皇帝が呟く。




 そうやって迎えた数多くの後宮の妃たちが、嫉妬や陰謀であさましく足を引っ張り合い、時に殺し合う。


 気の弱い皇帝だったらインポテンツになってしまいそうだ。(笑)





 

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