41 一夫多妻(同姓不婚) ≪3≫
『一夫多妻』の≪1≫と≪2≫は、一夫多妻という概念について、私的に考察して書いてみた。
今回の≪3≫からは、華流時代劇ドラマや小説で知り得た、古代中国の一夫多妻婚における具体的な結婚形態について書いてみようと思う。
しかしその前に、古代中国の王族たちの結婚を考えるのに、これは外せないという<同姓不婚>という考え方について。
秦の始皇帝が中国を統一するころの古代中国では、同姓(同じ苗字)の男女の結婚は禁じられていた。
そしてそれは、近代まで続いていた。
お隣の韓国にいたっては、1997年に改正されるまで、<同姓不婚>は法律に明記されて、厳格に禁じられていた。
遺伝的にはまったくの赤の他人であるのに結婚できないということで、たった数十年前のことなのに、悲恋や悲劇が多々あったようだ。
同じ姓(苗字)を持つもの同士の結婚禁止は、男系社会を重んじた儒教の考えが色濃く表れているらしい。
この『私、中華ファンタジー小説をまじめに勉強します!」の≪1≫で、くしくも『中国って、夫婦別姓のようです』でも書いたように、夫婦別姓は同姓婚をしていない証明でもあったのだ。
ということで、同姓不婚となると、古代中国では王族の結婚相手を自国で選ぶのはかなり難しくなる。
自国の由緒ある家柄となると、一族郎党ということで、同姓が多いからだ。
それもあって、皇帝や皇太子の正式な妃たちは、他国から迎え入れた。
同姓不婚とともに、政略結婚という意味合いもあっただろうと想像する。
日本は中国文化を積極的に取り入れてきたが、宦官制度とともにこの同姓不婚も、なぜか取り入れなかった。
それで、やはりこれを書いていても、「どうして、結婚において、同姓ということにそこまで拘るのか?」と、日本人の私には理解しにくいところがある。
そしてまた、隣国と戦争ばかり繰り返していた古代中国において、妃を他国からの迎えるのが当たり前だったというのも、理解しにくい。
新婚初夜に、寝首を搔かれる心配はなかったのだろうか?
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