23 文字(漢字)に思う ≪3≫



 ここで、少しばかり漢字の成り立ちについて、書いておきます。


 古代中国で、漢字が生まれたのは、今から3300年前(紀元前1300年)のこと。殷王朝によって発明された甲骨文字が始まりです。


 先生の話によると、当時の人は、お天気から戦いのことまで、なんでもかんでもを亀の甲羅や動物の骨に書いて、それを火の中に放り込み、出来たひび割れで占ったそうです。古代中国における<祭祀>の重要性は、今の私たちの想像をはるかに超えるものがあります。


 現代に生きる私たちが考えるような日々の暮らしの記録をするためではなく、神さまとの対話の必要性から、漢字は生まれ発展しました。


 その後、時代とともに、国家や部族間の契約に漢字が使われるようになったとか。

 字というものが、人間の日々の営みを記録するために考案されて発展したのではないということに、不思議というか凄味すら覚えます。


 漢字は表意文字です。

 漢字の1つ1つが、意味を持っています。


 そのために、話し言葉は違っていても、書き言葉の漢字は共通という現象が起きました。相手が何を言っているのかわからないけれど、字に書けば理解できます。


 その後、秦の始皇帝が中国を統一した時に、漢字の統一も成し遂げて、今に至ります。





 漢字の発明と発展は、何千年にもわたる中国人の叡智の賜物なのでしょう。


 ここで、前回の『続・文字(漢字)に思う』に続きます。

 先生の「古代中国において、国や地方で話し言葉は違っていても、書き言葉の漢字は共通していた」という言葉に、興奮してしまった理由です。


 先生の言葉に、私はふと、漢字の起源に人間の叡智以外の関与を想像してしまったのです。


 そして、いま書いている、中華風ファンタジー小説の『白麗シリーズ』。

 ただただ、自分を美少女に置き換えていい男にモテたいという、くだらない内容のお話です。


 しかし、その『白麗シリーズ』に、漢字の起源にまつわるを持たせようと閃いた瞬間でした。


 

 


 

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