21 拱手(きょうしゅ)と揖礼(ゆうれい) ≪2≫
私の持っている漢和辞典で調べると、<拱>の字は、両手を胸の前で重ね合わせることとあり、<揖>は、両手を胸の前で組み合わせて、上下し、またはおしすすめてする礼の作法とありました。
つまり、<拱手>は手を胸の前で組み合わせる礼、そして、<揖礼>は手を胸の前で組み合わせると同時にお辞儀をする礼となるようです。
<拱手>は顔を上げていますので、わりと軽い礼ですね。
華流時代劇ドラマの宮中などで、組んだり合わせたりした手を前に突き出して、深くお辞儀をするのは<揖礼>となるようです。
手の組み合わせ方や前に突き出す角度、そしてお辞儀の角度などは様々です。
なんと、<拱手>は<揖礼>の一種となるのだとか。
<揖礼>のほうが<拱手>より丁寧な礼となるようです。
日本では、<揖礼>という言葉よりも<拱手>という言葉の方がよく知られていることと、<一揖する>という言葉があって、これはちょっとお辞儀をするという意味なので、そういうところで、日本人が中華風ファンタジーを書く上において、こんがらかってしまう理由なのでしょう。
さて、これから『白麗シリーズ』を書き続けるにあたり、<拱手>で統一するか、<拱手>と<揖礼>で書き分けるか、考えなければなりません。注意しながら、いろいろな人の書いた中華風ファンタジー小説を読んでみようと思います。
また、拱手して深く頭を垂れたとか、拱手して「また会おう!」と別れの言葉を言ったとか、ちょっと書き足すのも、<拱手>と<揖礼>で書き分けるよりは、中国の礼に詳しくない読者には情景が見えて親切かも知れません。
おまけですが、<拝手>という礼があります。
これは、<跪礼>の一種で、額の前で手を合わせて土下座をすること。
華流時代劇ドラマで、皇帝に叱責された宦官などがよくやっていますね。
そして、<叩頭>というもあります。
土下座して、手を頭の左右に置き、額を直接床や地面につけるもの。
華流時代劇ドラマでは、お葬式の時に位牌の前でしていますね。
許しを請うために、がんがんぶつけて、額から血を流しているというのも、よく見かけます。
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