9 衣装についてまじめに勉強します! ≪1≫



 中華ファンタジー小説に書くにあたってそして読むにあたっての、一番の楽しみは、やっぱり、登場人物たちの髪型であり、着ている衣装の描写だろうと思う。


 私は書くこと以外に縫い物が趣味なので、一時期は、自分の服や人形の服を縫うことを楽しみとしていた。そして、華流時代劇ドラマもよく見ているほうだ。

 だから、自分が実際に中華ファンタジー小説を書くまでは、髪型や衣装の描写は楽しみとは思っても、困ったことになるとは思わなかった。


 自作小説に登場する登場人物たちの髪型や衣装のイメージは、はっきりとしたものを持っているつもりだ。


 しかしそれらを小説の中で字にするには、肝心の<正式名称>が必要となってくる。でも、そういうものは、中華ファンタジー系の小説を何冊か読めば、簡単に手に入ると思っていた。





 私は『カクヨム』を知るまでは、映画やテレビドラマでの華流時代劇ドラマというジャンルがあることは知っていても、女性向けライトノベルで中華ファンタジーというジャンルがあるということを知らなかった。


 それで、まずは書店に行って、日本のエンターテインメント小説の大御所といわれる男性作家の中華小説を何冊か買って、読んだ。




 しかししかし、なんとなんと、男性作家は皆さん、髪型だの衣装だのの描写は完全スルーだったのだ‼




 北方謙三さんの『水滸伝』は2巻まで読んだが、登場人物の髪型や衣装の描写は皆無だった。宮城谷昌光さんも何冊か読んだが、これも髪型・衣装についてはほぼ描かれていない。


 そしてあえて名は伏せるが、ものすごく有名な男性作家の映画化までされた中華小説のなかに、<裾の狭いパンタロンのようなものを穿いていた>という描写があって、それを読んだ時は、さすがの私も、絶句してのけぞった。

 パンタロンって、フランス語であったような……。



 ……と驚きながらも、男性作家の中国ものを何冊か読み終えるころには、私も、女性作家によるライトノベル系の中華ファンタジー小説の存在を知ることになる。


「よし、これだ!」ということで、書店で何冊か買ってもきたし、もちろん『カクヨム』でも、何作か拝読した。


 しかし、それは問題が解決するどころか、私にとっては、あらたな<壁>の出現となってしまったのだ。




 ということで、<中華ファンタジー小説でのファッションってどうなっている?>は、次回に続きます。



 

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