第2話 あの子のもとへ
私は自分がした過ちとショックでしばらく立ち直れなかった。
嫌がってる子に『あんなこと』をしなければ、『まだ友達だったのかな?』と何度も反省した。自分で起こしてしまったコトに「アンタ、何をやってるのよ!?」と腹立たしい気持ちが何度も沸いたけれども、それが表に出ることは無く、暗い表情のまま、焦っているサーバルの手に引かれながら私の足はジャングルの土を蹴っている。
「サーバル、どこへいくの?」と声をかけたかったけれども、今の私の立場で、この気持ちで口を動かそうにも声が出てくれない。今まで普通だったことが、たった1回の軽はずみな行動で全て奪われてしまった。
「……ルルちゃん! もうちょっとだよ! あの子なら解決してくれるかも!」
「そうだね! イ……なら、いい案を持ってるかもしれない!」
サーバルはキュルルに生えたしっぽを何とかしようと、もの知りなフレンズの元へ向かっているわ。キュルルもさっきと打って変わって希望が見えたのか、明るい表情をしている。
私にはもうそんな顔してくれないのかしら……と、また私は反省を繰り返そうとした瞬間だった。走りながらも私の方へ向く、二人の視線に気が付いて顔をふと上げた。
「カラカルも一緒にね!」
「そんな顔してないで、早く行こう! カラカル!」
暗い気持ちを打ち壊すようなサーバルの声と、キュルルがぷらんと空いていた私の手を取って握りしめる。自分が一番不安なのに、落ち込んだ私を何とかしようと一生懸命な表情に私は思わずクスリと笑みがこぼれる。
なんなのよ。思いつめていた私が馬鹿みたいじゃない。
もう反省はおしまい。しっぽのこと、なんとかしなきゃね!
「仕方が無いわね! 付き合ってあげるわっ!」
さよなら、ニンゲン ふぁんどりぃ @fandory
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