第101話 鬼を殺せる刀6
それも、聞いてたのかよ。
「うるせぇよ、
鬼が
「鬼なのに人間を
動かない千さんの背中を見ながら、俺は立ち上がる。
先ほど千さんに突き飛ばされた時に、俺の足を
俺は転がっていた鬼の右手を【
これで、奇襲は仕掛けられないハズだ。
「……そんなことをしても無意味だぞ?」
鬼の言いたいことは分かる。
【鬼殺し】を地面に突き刺せば、鬼と戦う
まるでお
「【鬼殺し】は、もう必要ない」
鬼が俺を見て眉を寄せる。
「俺はずっと、嘘をついてた」
「なんだと……?」
「俺は教室で黒猫を
「……何の話だ?」
鬼が
「人の話は最後まで聞かなきゃ失礼だって、教わらなかったか?」
俺の言葉に鬼が口を閉じて
ありがとよ。
そのまま
「俺は東雲を助けるために死のうと思った。俺が死ねば、その精神的なショックで東雲が目覚めて、ハッピーエンドになるって思ってたし、それで俺は満足だった。でも、それじゃ
「……だから、何が言いてぇんだ?」
「東雲は、自分が死んでも悲しんでくれる人なんていないって言ってたけれど――俺がその人になるのじゃ駄目かな?」
鬼は俺の言葉に
それはつまり、俺の言葉が、東雲に届いているからだ。
「テメェはもう、死んどけ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます