第100話 鬼を殺せる刀5
この作戦なら、どちらにしろ、俺の勝ち。
心残りなのは、母さんや
そして、
「悪いな」
「
鬼が、俺に向かって飛び掛かってきた。
長い腕を生かして槍の様に先制攻撃をしかけてくるが、俺は身を
思考速度を馬鹿みたいに早くした脳と目が、自分の足元を確認し、答えを導き出す。俺の足を掴んでいるのは――先ほど切り落とした鬼の右手首だった。
手首だけになっても動かせるなんて、反則だろ?
思わずよろけた俺の前で、鬼は、口が裂けるほどの満面の笑みを浮かべていた。
鬼が高速で首を振る。
長く鋭い
重心を失った俺にできることなど、何も残っていなかった。
――死んだと、思った。
それなのに、
「たわけがっ!」
俺の真横に、もう一人の、鬼がいた。
俺はその鬼に突き飛ばされる。
「……せっかく探し出したというのに、貴様らは何をしておるのじゃ? 小僧は〝死なない〟と言った約束を破っておるし、小娘にも〝
「せ、
地面に転がっていた俺が顔を上げると、すでに事は終わってしまっていた。
千さんは俺の身代わりになって――その胸を、
「妾を失望させるな! 一流の主人公は、無理でもなんでも押し通して、どんな理不尽な状況でも完全勝利して、最後にハッピーエンドを掴む奴のことじゃろうがっ!!」
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