第102話 鬼を殺せる刀7
鬼が地面を
でも、俺は
「
鬼の爪が、俺の顔を
俺はまっすぐ、鬼を見つめる。
「東雲の優しいところが好きだ。それを伝えられない
鬼の爪が、俺の
「俺と、付き合って欲しい」
「……嘘よ」
そこには、涙を浮かべた鬼の顔があった。
「そんなの、嘘。
東雲は
「あの時は、俺も正直――自分の気持ちが分かってなかったんだ。本当に悪い。死なないって約束も破ろうとしちまったし、全部、俺が悪かった」
「……」
東雲は鬼の姿のまま、俺を見つめている。
「でも、これは俺の本心だ。その、告白の答えを、聞かせてもらってもいいかな?」
俺の問いに、東雲は
「こんな鬼の体じゃ――彼女になんて、なれるわけないでしょ?」
涙を浮かべる東雲に、俺は笑いかける。
「安心しろ」
俺は地面に突き立てていた【
「【鬼殺し】は、その名前の通りに、鬼を殺せる刀なんだぜ?」
俺は【
東雲の体と鬼を繋ぐ黒い
「動くなよ?」
俺が【鬼殺し】で東雲と鬼の繋がりを斬ると――鬼だったモノは、中空に
牙もなければ、
俺の目の前には、普通の女の子に戻った、東雲の姿があった。
「その、
俺は東雲に右手を差し出す。
「答えを聞いてもいいかな?」
「聞くまでもないでしょうに」
東雲は俺の右手を、大事そうに、
「こちらこそ、変り者ですが――よろしく、お願いします」
そんな東雲が浮かべた笑顔は、俺が今まで見てきた中で、一番可愛かった。
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