第95話 そっくり2
「すでに目覚めてしまった鬼には儀式も行えません。このままでは一般人にも犠牲者が出てしまう可能性が大きいですね」
まくらさんは冷静に言うが、状況はかなり悪そうだ。
例え鬼の目覚めが不意打ちに近かったとしても、これだけの霊媒師が揃っていながら、
でも、そこまで頭で分かっていても、
被害が出ているこの状況で
でも、鬼が生きているということは――まだ、
「まくらさん、あとは俺に任せてください」
「駄目です。
言い切るまくらさんに、俺は隠し持っていた
それを見て、まくらさんの目が驚きに開かれる。
「明君が、千さんを斬ったというのですか?」
俺はうなずき、口を開く。
「
「……どういう意味ですか?」
「瑠衣は東雲だけじゃなくて、俺やまくらさんの帰りも待っているんです。俺はこの数日間、みんなで食べるご飯が、めちゃくちゃ楽しかった。だから、今日のご馳走もすごく楽しみで、こんなビッグイベントがあるんだったら、俺は死んでも死にきれないと思います。だから、俺は死なないし、東雲も死なせたくないんです」
俺はまくらさんをまっすぐに見つめた。
「俺に、行かせてください」
「明君のそいうところは、
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