第88話 凄く悪い予感1
「くくくくくくく」
立ち上がった
「……あの、大丈夫ですか?」
「これが笑わずにおれるものかっ!」
俺の心配をよそに、千さんは盛大に笑う。
「まさか、本当にこんな小僧が――現代の
俺の振るった【
ぼとりと落ちた千さんの右手首は、畳の上でぴくぴくと
心配する俺をよそに、千さんの右腕の断面からは血の様なモノは流れておらず、最初に聞いていた平気だという話は本当らしい。恐らく、痛みもあまり感じていないっぽい。
「こうしてはおれんっ!
「わかった!」
びしっと指をさされた瑠衣は元気に返事を返すと、スマホを取り出して電話をかけ始める。
それを満足げに見ていた千さんは、今度は俺を指さしてくる。
「これから鬼と戦う心得を教えてやるから、よーく聞くがよいっ!」
――っ!
「まず、鬼は最強の
それは、確かに考えていたことだが、
「ついに、俺は
「そういうことじゃな? しかし、鬼が小僧より
「あれ?」
俺と千さんの会話を遮るように、瑠衣が声を上げた。
「お父さん、電話に出ないんだけど?」
瑠衣の言葉に、千さんが目を細めた。
腕を組み、
「まさか、トラブルか? いや、それとも――まくらの奴、妾たちを
「……どういうこと?」
「妾は耳が良くてのぅ」
瑠衣の疑問に、千さんは
「……不可抗力で盗み聞きしてしもうたのじゃが、まくらは、
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