第四章 鬼を殺せる刀
第85話 断ち切って見せよ
翌日。
朝食を食べ終えると、儀式の準備を行うため、まくらさんと
俺は朝食の後片付けを
東雲を助けるために、これから俺は、千さんを斬れるようにならなければならない。
意気込む俺と対照的に、千さんは道場の真ん中に座り込んだ。
「最初に言っておくが、
千さんは右腕をまっすぐ水平に伸ばして、俺を見据えた。
「妾の腕を、見事、断ち切って見せよ」
俺は【鬼殺し】を構える。
木刀の時と同じように、霊力を両手に集中させ【鬼殺し】に【
刀の
俺は【鬼殺し】から視線を外し、千さんを見つめる。
「斬る前に確認したいんですけど、千さんは斬られても大丈夫なんですか?」
俺の言葉が予想外だったらしい。
「くくくくく」
千さんは声を立てて笑っている。
「妾の心配をしてもらえるとは思わなんだわ。そもそも、鬼の肌は
「そうじゃなくて!」
俺の怒声に、千さんは眉を寄せた。
「何を怒っておる?」
「手伝ってくれる千さんを、傷つけるわけにはいかないじゃないですか!」
「……あくまで妾を斬るつもりというわけか?」
千さんはニヤリと笑った。
「安心せよ。【鬼殺し】は普通の
俺は千さんの言葉に納得して【鬼殺し】を構える。
【練磨】を目に使うと、うっすらであるが、千さんの体内に人の体があることに気づいた。
確かに霊体である【鬼殺し】ならば、依代である人体を傷つける心配は無いだろう。
覚悟を決める。
俺は【鬼殺し】を、千さんの腕へと振り下ろした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます