第77話 刀オタク3
「実は刀に使われる
「この刀オタクがっ!!」
二人で顔を上げ、
「
千さんはそれだけ言って、背を向けて帰っていった。
「……熱処理の話だけに、少し熱くなってしまいましたね」
「……そうですね」
まくらさんは恥ずかしそうに頭をかき、
「つまるところ日本刀の
まとめて話してもらえたことで、なんとなく理解はできた。
「面白い話をして頂いて、ありがとうござました」
考えてみれば、本物の刀匠からこんな説明をしてもらえるなんて、中々ない経験だろうと思う。社会見学と比べたら、素直に面白かった。
しかし、まくらさんは俺から礼が出るとは思っていなかったらしい。
まくらさんは少しだけキョトンとして、苦笑を
「ははは。
まくらさんは、ボロボロな見た目の俺を察してくれたらしい。
俺は腕を組んで、少しだけ考えてみる。
俺の現状で抱える問題は、東雲への勝機がまるで見えないということだ。
まくらさんに手伝ってもらえるなら、それに越したことはない。
「あの、それじゃ、頼みがあるんですけど――」
俺の話を聞いたまくらさんは、素直に感心した様だった。
「どう思いますか?」
不安を帯びた俺の問いに、まくらさんは笑う。
「面白い試みだと思います。是非、手伝わせてください」
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