第76話 刀オタク2
まくらさんが
俺はそれを見ながら、思いついた疑問を口にする。
「この刀が、まくらさんなりの、
「はい。これが私の十年越しの答えでもあります。鬼を斬ることのできなかった【
まくらさんは、困ったように笑って続ける。
「……材質に形状、さらに私の技術の向上、様々な要素を一から
俺は改めてその刀身を見つめる。
俺には普通の日本刀にしか見えないが、その刀身は俺の思い描く日本刀とは違い、弧の様に
「日本刀なのに反っていないのは、その工夫のひとつなんですか?」
「良い質問ですね!?」
何気なく聞いたその一言に、まくらさんが目を輝かせる。まくらさんの右目はまだ開かれたままのため、輝きをさらに増したという方が正確かも知れない。
「そもそも刀が
いつもと違って興奮しているまくらさんに
「……そ、そうなんですか?」
「ですです! 刃鉄とはその名の通りに刃先に使われる切れ味をよくするための固い鋼であり、心鉄とは刀身の
「い、いえ、知らないです」
俺は知らず知らずのうちに、
「鋼とは焼入れをすることで硬く
ヤバい。
専門的すぎてまるでついていけない。
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