第72話 目まぐるしい速さ


 俺はせんさんの言葉にしたがうことにした。


 五人で夕飯を囲み、風呂に入って床にく。


 そんな家族ごっこのような日々は、目まぐるしい速さで過ぎて行った。


 二日目は霊力を分散させ全身に【練磨れんま】を張る修行をし、三日目は逆に霊力を一点に集中させて、局所的に強力な【練磨】を張り、その部位を移動させる修行をした。


 二日目の修行は全体的な反応速度や防御力を上げるためで、三日目の修行は必要な場所に霊力を集中させることによる、自分の限界げんかいを平均値からさらに押し上げるための修行だ。


 どちらにも長所と短所があり、戦闘経験の少ない俺にその取捨選択しゅしゃせんたくは難しそうだが、そもそも選択肢がない状況は避けたい。


 俺はこの数日で、基本的な【練磨】の扱いをこなせるようになった。


 順調に成長しているように見えて、残りの日数もわずか二日しか残っていない。


 時間が惜しく、俺は次の修行へ進むことになる。

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