第60話 その名の通り
「
千さんは天井に向けていた視線を俺に向けた。
「ここまで妾が話したのは、その戦いの中で不自然な点があったからじゃ」
千さんは机の上の【
「
「……鬼は、獅子堂さんの力を警戒していたということですか?」
まくらさんの問いに、千さんは悩むように
「最初に獅子堂と鬼が対峙した時、鬼は慢心しておった。正面から獅子堂に飛び掛かり、獅子堂をそのまま殺そうとした。その牙が獅子堂を捉える
「つまり、どういうことだ?」
俺の問いに、千さんは笑う。
「詳しいことは妾にもわからんがの? つまるところ【鬼殺し】は、その名の通り、鬼を殺せる可能性がある刀ということじゃ」
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