第42話 こんな道を選ぶなんて許されない2
俺の言葉に、まくらさんはうなずいてくれる。
「鬼は霊媒師が殺すことはできませんが、
「……」
「
それは、あまり気分の良い話ではなかった。
「瑠衣は死ぬために、今まで生きてきたってことですか?」
それは、許されることなのだろうか。
しかし、何も知らない部外者である俺に、それを意見する資格があるのだろうか。
「私も、それが正しいことだとは思いません。しかし、瑠衣のような子供たちのお陰で、鬼の脅威から人々が守られているというのも事実です。この十年間、私は瑠衣を助ける方法を探していたのですが、その先を
まくらさんにおんぶされた東雲の額には、鬼の角が生えている。
「あれは〝口移し〟という秘術です。本来は病や呪いなど、霊的エネルギーを分け与えたり奪い取ったりするための秘術ですが、東雲君はそれを応用し、瑠衣に巣食う鬼を肩代わりしてしまいました。……東雲君は【
まくらさんはいつの間にか笑みを消し、目を伏せている。
その顔は、とても悔しそうだった。
「私と連絡を絶ってから、東雲君はずっとそうするつもりだったのでしょうね。
まくらさんはため息をつく。
「私は瑠衣の代わりに――東雲君を殺さなければならなくなりました」
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