第37話 キャラ付けが濃すぎる1
「
俺が玄関の扉を開けると、なんと、そこにいたのは俺の知っている人物だった。
彼の名前は、
まくらさんは、俺が
つまり、まくらさんは霊媒師協会って奴の
「三年ぶりぐらいですね」
親父が亡くなるまでは瑠衣の家へ遊びに行っていたから、しょっちゅう会っていたが、中学生に上がる頃にはその頻度も落ちて、高校生になってからは初めての再会だった。
まくらさんは、三年前に会った時と変わらず、人のよさそうな笑顔で俺を見つめている。
「もう傷は大丈夫ですか?」
「お
「それは良かった。まったく、私の周りは勝手な人たちばかりで困ります。東雲君は規定違反を繰り返していますし、
俺が重傷を負って眠っていたことや、東雲のことをまくらさんは知っている。そして〝千〟というのは、話の流れから考えるなら、あの鬼の名前だろうか?
「あの、聞きたいことがあるんですけど?」
俺の問いに、まくらさんはかぶりをふった。
「私は明君の知りたいことを全て知っているでしょう。しかし、説明はできません」
「……瑠衣の命がかかっていても、ですか?」
その言葉に、まくらさんは目を細めた。
「明君がどこまで知っているのかは分かりませんが、これは霊媒師の
「……誰との約束ですか?」
「
咲夜とは、俺の母さんの名前だった。
「私は咲夜さんと同じで、明君を霊媒師の道に進ませる気はありません。だから、予定外とはいえ明君を巻き込み傷つけてしまったことは私の落ち度で、本当に反省しています。しかし、だからこそ、後の事は全て私に任せてほしいのです」
まくらさんは笑顔で俺を見つめた。
「だから、道を開けください」
「嫌です」
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