第5話 獅子王レグルスと白魔法使いアルジェン



フェリシアの国王

通称、獅子王のレグルスは

悩みため息をついた


まるで獅子の鬣を思わせるような

髪をした金髪の年配の国王である

彼の燃える用な深紅の瞳が揺らいでいる


レグルス「勇者の様子がどうにもおかしい。最初は普通の少年でなかったか?」


勇者が目覚めたと知らせを受け

会いに行ったがどうにも様子がおかしかった


レグルス「あの少年…いや、あの娘と言うべきなのか?」


勇者の姿を思い出しながら

顔色を悪くした


会いに行ったのは良い。

だが勇者の行動が問題だった。


勇者はフリルがある

ドレスを着用に優雅に執事と

ダンスの練習をしていた。


それを見たレグルスは

呆然とし帰還した


レグルス「はぁ、あれは。どうしたものか。勇者が私の代で現れたなら何かしら防御を固めねばならぬというのに。

あれでは、戦力にならない。今の聖女は年老いている。こんな中でこれから先どんな異変が起きるのか。」


レグルスが国の将来を案じていると

側に控えていた端正な顔立ちをした

長身の白魔法使いが

レグルスの前まで来て発言した


白魔法使い「レグルス王よ、国の将来を案じる気持ちはわかりますが城にいるメイド長もどうにかするべきでは?先日も彼女は薔薇園を破壊しましたよ?もう、私が毎回毎回修理をするのが大変でして」


レグルス王はため息をついた


レグルス「うむ、確かに。ローザは破壊行動が問題すぎるな。だが猫族の戦力は大切だ。特に彼女は黒猫だ。

破壊的なのも猫族ゆえと思いたいが。お前はどう思う?白魔法使いアルジェンよ」


アルジェンと呼ばれた彼は

思案し耳飾りを弄りながらレグルスに案を出した


アルジェン「そうですね、猫族ゆえに破壊的ならばそれを特訓の間で特訓させて制御させればよいのでは?

あそこの間のダンジョンを有効活用しませんか?

…もしあの間にてなおらないようなら。

…それは彼女の性格という事になるのでどうにもできませんよ?

どちらにせよあの間にて特訓させれば戦力は少しは増えますよ。」


レグルス「しかし、ローザが長期でいなければ娘の護衛が手薄になる。お前は私の護衛で娘に貸すわけにはいかぬからな。」


アルジェンが長い髪をはらいながら

笑顔で言った


アルジェン「問題はありませんよ。王女様にも特訓の間に入ってもらえばよいのです。王女様の戦力も同時にあがるでしょう。

王女様は元々高い魔力をお持ちなのですから。」


レグルス王は考えている

娘は確かに高い魔力を持っているが

無自覚で初級魔法くらいしか

使えない。

いや、力の覚醒を促すきかいは

あった。


あるにはあったが

その度にあのメイド長が

へし折った


レグルス「うむ、しかし…ローザと共に。か。意味があるのか…」


アルジェン「一緒にはいれますが別々の道からいれれば問題ないかと。王女様には騎士を少し同行させます」


レグルス王は国の将来を案じつつ

戦力を高めるためにもやむを得ず

決断を下した


レグルス「ならば。仕方ない。国のためだ。そしてローザを見極めるためだ。アルジェンよ、国王命令だ。

二人を特訓の間に。ダンジョンにいれよ。」


アルジェンは頭を下げて

微笑んだ


アルジェン「はい、ご命令のままに。…同行させる騎士は私が選びますのでご安心を。」


アルジェンが出ていった後

レグルス王は憂いがなくなるように

願いつつ上を見上げ呟いた


レグルス「聖女よ、お前の目には来たる異変が視えているのだろうか?なにか、知っているのか?

お前が王妃としてここにいれば状態はもっと違ったのだろうか?

未だにお前と二人きりで話せそうにない」


その声には寂しさと

後悔の気持ちが要り混ざっていたのだった











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うちの姫様は聖女です。 アストライア @aletheiacharm

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