第7話 十二月二十五日 木曜日 杉苔

 十八時頃、約束通り熊谷と難波が家に来た。一人暮らしを始めてから、誰かを家にあげたのは初めてだ。


「お、やっぱり話してた通りの植物ハウスだな」


「ホーム画面にしてまで大切にしてる杉苔はどこにあるんだよ」


「杉苔は外でも栽培できるから、ベランダに置いて毎日様子見てるよ」


色々な人を振り回し、振り回された数日間。皆が幸せになったかと言われれば、そうではないだろうが、皆が終着点の先にある何かを見つけるために歩き始めたのだけは確かだ。



(おわり)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

探偵気取り 宮野実憂 @Ponpoko_Tanuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ