情雨

こく

第1話



君のことが好きだ


こぼれる心音


ふるえる唇


僕は恋をしてしまった。


モノクロームが色づく日々。


あなたがくれた、雨の日に。


きっと、似合うと差し出された花は


悲しくたなびいて風に吹かれていく。


ああ、神サマ。


僕達の恋が叶うなら、


そっと戸をたたいて欲しい。


好きだという言葉が意味を持ち


こぼれていく涙をすくいながら、


涙を流していく。


堕ちた貴方の心臓の音を


聞きながら


貴方の涙をすくって


金平糖のような


貴方の綺麗な涙の色を知る。


嗚呼、神サマ


愛無く


愛無し


飽くことなく


君を喰っていいですか?


好きだと唱える声に力が出なく


それでもむくいる貴方はとても綺麗だ。


声なき声を


ふさぎながら


君の声をとめる。


一息吐くと、


息が残った。


好きという気持ちが


彩りを増してゆく。


モノクロームが


万華鏡のように


華やかに回る。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

情雨 こく @azuma59

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ