脳汁

@algrd

第1話

僕の人生はあの日を境に30度ほど曲がってしまったのかもしれない。



8月11日午後10時28分。今日も1日が何もせずに終わってしまった。

何か行動しなければと思ってはいるが身体が動かない。いや、動こうとしていない が適切であろうか。何かしなければと思ってはいるが何もしていない時間が私は好きなのかもしれない。熱中できることが特にない私にとって、私の1日は無駄遣い以外の何物でもない。私には特技どころか趣味がない。何かを始めようとバトミントン、映画鑑賞など色々と手を出した。初めは一生出来るかもしれないと本気で思うのだが、次第に何をしているのだろう という気持ちが強くなり、人生の時間を無駄にしているように感じやめてしまう。何もしないことが一番の人生の無駄遣いだと分かってはいるが、無駄だと感じながら物事を続けるほどMではないのですぐにやめてしまう。きっと私は何かを継続的に楽しむ才能がないのだろう、多分。何か熱中出来るものはないものか。そんな私にも1つだけやってみたいと思うことはある。それは「脳汁に従って生きる」ことである。絶対に出来ないこれは願いですらないのかもしれない。もし仮に、周りの目、お金、その他諸々の懸念を全て捨てて生きていける土台があるのならば自分の脳汁に従って生きていきたいという願いが何も続かない私の中で唯一続いているもの(正確には考え)かもしれない。今私の脳汁が私に語りかけているものは「人体改造をしてみたい」。スプリットタン、インプラント、拡張ピアスetc自分の思うがままに身体を改造し、脳汁を分泌していきたい。しろよ と思う人もいるのかもしれないが、人体改造をしたことによって被るデメリットを考えると出来るはずがない。

・・・なぜ出来るはずがないのだろうか?なんで?自分の人生なのに。なんで周りの目なんて気にしなくちゃいけないの?意味が分からない。ほんとに何もかも意味が分からない。私が何をしたって言うの?なんで私の自由を奪うの?私は私の自由に生きたい。それに伴うデメリットに責任なんて持ちたくない。誰か私の代わりに責任を負って。自分の行動に責任を負いたくない。私は精神的な赤ちゃんなの。皆からの愛情がないと死んじゃうの。私に愛をちょうだい?


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