冒頭の戦闘シーンで作者の文章力に驚きました。「なんとなく、この人がなにかをやっているな」ではなく、映像としてイメージしやすいのです。(色や形状を取り入れているからでしょうか?)心理描写もていねいで、主人公の心情が痛いほど伝わってきます。凝った設定や一言では言い表せない人間模様を書きこんでいるだけに、ラストに驚きました。(ちょうど第一章がおわって、これから物語が展開されそうな終わり方でしたので。続きは……ないようですね)
【巨兵】との立体的な戦闘描写、スリリングな駆け引き、チーム戦術の面白さ、一変した世界のディテールや空気感……そして何より、あまりにも苦くて皮肉な、人とのしがらみ。存分に楽しませていただきました!
第一印象は「丁寧に書かれた文章だなぁ」本当に書く力のある人は台詞が最低限で地の文が濃い、と言われますが、まさにそうを感じました。小姑みたいな細かいことを言うと、一瞬だけ若さが見えましたが、この短さの中でこれだけ物語や人物の背景・心が読み取れる文章はすごいと思いました。あっぱれ!