何を描くか、どう描くか、いずれも秀逸

 創作する時に、「何を描くか」と「どう描くか」は、どちらも大事で不即不離なものですが、まず「どう描くか」の精密さに唸りました。
一人の女性の一日を、よくここまでスタイリッシュに描けるなと素直に感心しました。朝・昼・夜の三章に分けた枠組み、何を描いて何を省くかをギリギリまで刈り込むタイトさ、SNSを適宜挿入するスタイル、どれも「何を描くか」と密接に結び付いて、かつ独自性があってすごいと思います。
「何を描くか」も、とても秀逸です。一日の暮らしから浮かび上がるのは、このサイトユーザーなら誰しもが覚えのあるような、厄介な自尊心が及ぼすものについてで、創作を志さない人にも広がっていく普遍性のあることです。
 それらをこの短さできっちり描く力。世界は広く、すごい人は一杯いると改めて思わされた一作でした。

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