八月某日、磯山あき

作者 秋永真琴

85

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★★★ Excellent!!!

 創作する時に、「何を描くか」と「どう描くか」は、どちらも大事で不即不離なものですが、まず「どう描くか」の精密さに唸りました。
一人の女性の一日を、よくここまでスタイリッシュに描けるなと素直に感心しました。朝・昼・夜の三章に分けた枠組み、何を描いて何を省くかをギリギリまで刈り込むタイトさ、SNSを適宜挿入するスタイル、どれも「何を描くか」と密接に結び付いて、かつ独自性があってすごいと思います。
「何を描くか」も、とても秀逸です。一日の暮らしから浮かび上がるのは、このサイトユーザーなら誰しもが覚えのあるような、厄介な自尊心が及ぼすものについてで、創作を志さない人にも広がっていく普遍性のあることです。
 それらをこの短さできっちり描く力。世界は広く、すごい人は一杯いると改めて思わされた一作でした。

★★★ Excellent!!!

きっと彼女は彼女なりに懸命にそして賢明に生きているのだけれど、それは本心からなのか、それともそういうモノを演じているだけなのか。見えるようで見えない「彼女」の姿を正視しようとするのはすこしこわい。けれど、目が離せなかった。

★★★ Excellent!!!

自分もこれなのではないか、いやこれは作者が自分を見て書いたのではないかと暗い被害妄想にとらわれてしまうような、負のパワーが満ちています。
これまでの作品にも、こういうカラーが垣間見えることがありましたが、今回は特に全振りしてきたという感じがあり、破壊力が恐ろしいほどです。
自分の参加作品を書き終える前に読むべきではなかった。自己肯定感が地に落ちて泥にまみれています。がんばります。