5月2日深夜に

 (前略)



 それでな、やっぱり一番一番嬉しかったのは、私の過去要約して話して、吹奏楽部のこと話したときのことだ。

「ひっでー……」

「最低だな……」

「うわ、それつらいなー……」

 って言ってくれて、頭撫でてくれて、抱きしめてくれた。

「なんかつらいことあったら、俺が受け止めるから」

 って言ってくれて。

 なんかもう、このときは本当泣きそうになった。

 ああ、私、認められたんだな、って。出会って一ヶ月も経ってない他人の胸の中で涙こらえてた。

 ××も、つらいことあったらしい。

 ××の同級生が大学進学や就職する時期、薬が増えて授業中寝っぱなしだったらしい。

 取り残された、って感じで。

 私には想像することしかできないけど、それは確かにつらいだろうなぁって思った。

「じゃあ……××先輩とか年下なんだ?」

「友達がみんな年下って変な感覚だよ」

 とか笑って言えるのは本当すごいと思う。

「もう、全部そういうの乗り越えてるから、笑って話せるから」って言ったら、

 ××は私のこともすごいって言ってくれたけど。えへへー☆

 ていうか、××の前だと私キャラ違いすぎる。

「むぅーっ」

「えへへー」

「~だもんっ」

 とか普通に言う。あと声が変わる。書いてて思ったごめんこういう奴って気持ち悪い。

 でも、××はかわいいって言ってくれるから。

 ××は私のことすごくかわいいって言ってくれるから。

 かわいすぎる、反則、って、何回も。

 ずっとコンプレックスだった笑顔、私は今、自信持って笑える。

「かわいいとか、言われたことほとんどない」

 って言ったら、

「それ絶対まわりの見る目ないだろ」

 とか言ってくれたし。

「まあ、お世辞でならあるけど」

「それお世辞じゃないと思う」

 あと、手重ね合わせたりとか、手に○○してもらったりとかした。

 手を繋いでると安心する、と友輝は言った。

 私はまだ、少し緊張するけど。でも、少し安心したことも事実。

 抱きしめられることが嬉しいって、頭なでられることが嬉しいなんて、私はどこまでも動物的なんだなぁって思った。

 あ、私も××の頭撫でたけどな。

 帰り道、手を繋いだ。

 あんまり照れなかった。ただ安心感があった。……まあ、ちょっとは恥ずかしかったか。

 抱きつきたいって思った。

 でも外だからやめた。

「俺本当ヘタレだな。送ってもらうとか」

 駅で、別れた。

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