ブロックバター、溶ける。

(ブロックバター革命に、ついて。)



 べっとりと暗い帰り道、××さんと○○さんと帰り道を辿っているときに、衝撃的なことを言われた。○○さんから。


「ブロックバターってことはさ、頭から溶けてってるんだよね?」


 その発想は、なかった。

 まじか!とか何とか言って笑う私に、○○さんはつづける。


「なんか○○ちゃんが言ってたように、頭から油が……」


 ○○さんは、確かに言った。

 Q「なんか色気あるとか言われるんだけど」(私)

 A「それはお前の頭からしたたっているねっとりとした油を勘違いしてるだけだ」(○○さん)

 面白かった私は、○○さんたちにこれを言った。確かに。

 頭から油って、あくまでも比喩ですよ。念のため。


私「それは文章を柔らかくし始めたからかねー?」

○「え、うーん……」


 ブロックバターは硬いから、私は柔らかくしようと努めてみた。

 そしてその結果ブロックバターは溶け始めて、確かに柔らかくはなったけれど、それと同時に、ねっとりじっとり粘着質ななにかになった。

 それが今の私の文章なのかもしれないと、ちょっと思った。


 ブロックバターは、はたしていったい何になるのか。まだまだまだまだ、溶かしてゆきます。

 しかしねっとりじっとり粘着質っていうのは、そのままなのかもしれないね。バターは固形だろうが液体だろうが、油で、もたれることに変わりはないから。


 ブロックバターは、溶けつづけています。たぶん、今も。



(○○さんは中学のときに出会った友人で、××さんと○○さんは高校の友人です。)

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