　何だかんだで、人には「他人」が必要なのだと思います。

　「自分」だけじゃ、だめ。

　あまりに近づき過ぎて、その人がもはや「他人」でなくなってしまう場合って、ありますよね。

　説明しなくても、通じる。言わなくても、伝わる。もうこれは、「他人」じゃあないと、思うんです。「自分」に限りなく近い何か。得体は知れませんが。

　そうやってアイデンティティを共有して、しかし、それとはべつに「他人」は必要なんです。何故なら「他人」は客観だから。

　主観と感覚だけのとろとろ甘ったるい世界じゃあ、生きられない。あまりにもあれなんで、溺れて窒息してしまうよ。

　アイデンティティを共有する相手のいる人は、もうそれだけで、幸せだと思うんです。他の何がどうであれ。

　ただ、人格として人格らしい生活を送りたいのならば、客観の風に自分を曝さなくっちゃ。

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