現実を求めるか、幻想を求めるか。
先日、美術館に行ってきました。
その展覧会には、写実的な作品もあれば抽象的な作品もあり、現実的な作品もあれば空想的な作品もありました。
じっさいには有り得ないうつくしい風景を描いた作品や、精神世界をそのまま表現した作品が私は好きです。さまざまな絵を眺めながら、ぼんやりと思いました。
せっかく絵を描くのなら、実在しえない架空の世界を描けばいいのに。現実的だったり、醜かったりするものは、世の中を見ればじゅうぶんにあるのに……。
そしてそう思った直後、気がつきました。
これは私自身が書く小説に対しても言える、と。
現実に存在する、醜くて見たくないものを写実的に描く作品、それが私の目指すところであり、現在の作風でもあります。
では何故じゅうぶんに溢れかえっているそれらをわざわざ書くのかというと、そこに新たなメッセージ性を込めたいからです。
写実的な傾向にある画家のかたたちも、もしかしたらそう考えているのかなと思いました。
正直なところ、小説に幻想を求めるという気もちが、今まではしっくりきていませんでした。
でも、絵に置き換えてみたらすごくすんなりと納得できます。確かにきれいなもの、楽しいもの、現実にはないものを求める。
小説においても、こういった気もちのかたがいるんですね。
そのことが、すとんと胸に落ちました。
おみやげに、ポストカードを何枚か買いました。
鮮やかで静謐な雰囲気のそれらは、私の部屋の壁に飾られています。
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