第4話 このポンコツ性奴隷は不良物件でした その1
【キャン視点】
『キャン様、こっちですよ〜ハハハ』
『待ってよ、メルシーちゃん〜』
ぼやけた視界にメルシーちゃんを追いかけている俺がいた。
夕日をバックに浜辺でリア充の様にイチャイチャしている。
ビキニ姿のメルシーちゃんは、大きなおっぱいや張りのあるバストが官能的である。
メルシーちゃんの真っ白な肌が夕日で焼けていく。
メルシーちゃんの背中を追う俺の視線は、お尻や背中を視姦し続けるが、彼女は気づいていない。
そして、彼女に追いつき、彼女の手を捕まえる。
『メルシーちゃん、捕まえた〜』
『捕まえられちゃいました〜』
そのまま引き寄せて、互いの肌が触れ合う。それが、男女の熱を高める。
あっ、これ夢だわ。
明晰夢ってやつですね。
なら、好き勝手やらせてもらおう。
俺は、メルシーちゃんを押し倒し、ビキニを脱がそうとすると
『私がご奉仕しますから♡』
逆に押し倒されてしまった。
俺の股間の上に跨るメルシーちゃんは、ビキニの上を脱ぎ、その膨よかな胸を……夢だからちゃんと見れないのが悔しい。
互いにキスをして熱を高め、
『キャン様、私もう我慢出来ません!』
『ああ、おいで』
そう言って一つになるのかなっと思ったら
ペシンッ!
メルシーちゃんは、ビンタをしてきた。
あれ、おかしいな。
ペシンッ!
更にもう一方の頬にも一発。
無表情で叩いて来る。
メルシーちゃんってそういう性癖?
俺って痛いの苦手なんだよな。
どちらかと言うとSだし。
ペシンッ!ペシンッ!ペシンッ!ペシンッ!
『メルシーちゃん、痛いよ!やめて!』
「なら、さっさと起きぬか!このうつけ!」
バシンッッッッッッッッッッ!
「グフィエェェエ!」
俺は、ビンタによって首が真横に曲がった。
その弾みで変な叫びを出してしまう。
首が曲がった先でアホズラ晒して寝ているクリスがいる。
最初は、クリスが俺を殺そうとしているのかと思ったが、そうでも無いようだ。
本当にこの
性奴隷なら、主人である俺のエクスカリバーに朝のご奉仕しなさいよ。
それは良いとして、俺を叩いた人間は誰だろうか。
こんな所でホームレスしていたから、土地主が怒ったのかな。
どすん
全く重く無い物が俺の腹の上にまたがってきた。
「ほら起きぬか!起きよ!」
小さな手が俺の胸を優しく揺さぶる。
「起きてるんですけど、首が曲がって起きれないんですよ」
「たく、このうつけが……仕方ない回復魔法で癒してやる」
すると首の痛みが消え、心地の良い感覚が戻ってくる。
仕方ないって言われたけど、俺の首を折ったには貴方ですよ。
そして、俺は声の主の方を向き直すと、
「ありがとうござ……アルキメ様!」
金髪のじゃロリゴットのアルキメ様が俺の上にまたがって、朝チュンしてる。
「うむ、おはよう」
「なんでこんな所にいるんだよ!?」
「昨日、会いに来ると連絡したであろう」
「まだ、日が昇り始めた時間って…早すぎるよ!」
「天界と下界では、時間感覚が違うみたいであるからな」
それにしても早い。
俺まだ、4時間ぐらいしか寝てないんじゃないかな。
「昨晩の初仕事で良い成果を上げたから貴様らを褒めようと思って来たのじゃ」
「それは…どうも」
そう言うとアルキメ様は、横で眠るクリスの頭を撫でる。
クリスを見つめる顔は、自分の子供を愛でる母親の様な顔だった。
やはり、クリスの事は心配だったのだろう。
「それにしても貴様……」
「どうしました?」
アルキメ様は、後ろを向いて何かを確かめている。
「貴様、ちゃんと処理しておらぬな」
「処理って……ああ、ごめんなさい!」
寝起きなので、俺のにんにんがニンニンしていた。
ここ数週間は、多忙な社畜ライフだったから処理なんて出来ないし、さっきメルシーちゃんのエッチな夢を見たから……
アルキメ様の前で粗相をしてしまった俺は、急いで体を動かして隠そうとするがアルキメ様の
「貴様は、
「流石に出会ってすぐは気が引けますと言うか」
昨日はする暇もなかったし
「せっかく性奴隷が手に入ったと言うのに、情けない男よ」
「言い返せません」
「なら、妾が相手をしてやろうか?」
「神様にそんな事させ……」
「妾は昨日で神の座を降りた。今は、隠居生活を楽しみたいのじゃ」
アルキメ様は口端から綺麗な舌先を出し、俺を誘う。
「数百年間神を続けていたら、生き物に営みに興味を持っての……」
「じゃあ、ご無沙汰って事なの?」
「いいや、妾は生娘じゃ」
まじかよ。
ロリBBAな上に処女で神かよ。
希少度高すぎだろ。
「そんな、昨日今日会った俺に大事な初めてをやるには、やめた方が良いよ」
「何を言っておる。クリスの主人の貴様だから処女を捧げてやっても良いと言っておるのじゃ」
このロリ、滅茶苦茶な事を言い始めた。
前の世界じゃ求愛されるどころか、女性との縁もほとんど無かった。
異世界にきて、こんなにアプローチを受けるとは思わなかった。
だが、俺にはメルシーちゃんという天使がいる。
最初にヤルならあの子とが良い!
「アルキメ様の…」
「待て、アルキメは神の時の名じゃ。今はイヴと呼べ」
アルキメ様…イヴ様は今思い出したように言ってきた。
「イヴ様のお誘いは嬉しいけど、今度と言う事で」
「そうじゃな……気が乗らぬ時にしても面白くないからの」
それにしても眠い。
まだ寝てても良い時間だ。
「もう少し寝ても良いかな?」
「ちゃんとした所で寝ればいいものを」
だったら、初期資金をちゃんと用意して欲しかった。
無一文スタートは辛い……盗賊の財宝を持って来れば良かった!
人の物は盗らないっていう日本の教育が身に染みすぎてヘマしちまった。
「まあ良い、疲れを残さぬようにな」
イヴ様は、そこから移動しないんですね。
俺は、二度寝を決める事にして瞼を閉じる。
「おい、起きろ……起きろ」
「イヴ様、もうちょっと寝させて…」
上にいる筈のロリボディのリズ様を抱きしめようと思ったら、硬い…金属のような感触がする。
「こら!抱きついてくるな!」
「イヴ様…さっきまでは、あんなに優しかったのに」
「俺は、そのリズとやらじゃない!」
ゴスンッ!
「ぐわああああああ!痛い!痛い!えっ何?何があったの!」
痛みで飛び起きたら、目の前にゴツゴツの兵士が2人。前の世界で言う警察の立ち位置の者たちだろう。
簡単な装備と腰には剣を用意しており、俺は硬そうな靴で蹴られたようだ。
「何かあったんですか?」
「何かあったんですか、じゃないよ……今、小さな女の子と路上で寝た不審者がいるって通報があったんだ」
「そんな変な奴が現れるなんて……どんな人物何ですか?」
「いや……それがお前の事なんだけど」
「え、俺?」
自分の顔を指差すと、2人の兵士は軽く頷く。
「俺がそんな事……って、ああ…」
「心当たりが見つかったようだな」
アルキメ様こと、イヴ様がクリスに抱っこされながら眠っている。
その寝顔は世界の幸せに包まれて眠る健気な幼女の顔だ。
「あの方…あの子は、俺の…」
俺の何だろうか?
友人でもないし、上司かな?
でも、神様やめたから上司でもないのか。
今の俺の上司は顔も知らぬ第8代『死に
俺にとってどんな立ち位置なのかを知るためにステータスウィンドウをオープン。
名:イヴ
性別:女
年齢:表示できません
職種:無職
ランク:17043
使用可能魔法:火、水、氷、風、土、神、暗黒etc
備考
元第2代『海の神』アクアの補佐官
元第6代『神樹の管理機関』事務局長
………
………
………
元第4代『幸福決めの神』ハピネ
元初代〜7代『死に決めの神』アルキメ
最初の欄にチート過ぎるデータが載っていて絶句した。
『死に決めの神』アルキメって、今までイヴ様が一人でやってたのかよ。
神の中でもエリート中のエリートだったのか。
俺との関係はっと
対人関係
喜屋武……夫
は?
なんで、俺がイヴ様になってるんだ?
バグかな?
一応、俺のステータスウィンドウを見てみよう。
対人関係
イヴ……第2夫人
こっちは、こっちで意味わかんないんだけど!
そこは妻じゃないんだ。
てか、第2夫人ってなんだよ。じゃあ、第1夫人は誰だよ!
「イヴ様、起きてくれ」
俺は、イヴ様の肩を揺らし続ける。
「うう……ん?なんじゃ?」
「なんか、あなたと俺の対人関係がおかしくなっているんだけど!」
天界人とその関係者にしか見えないステータスウィンドウを突きつける。
「何かおかしい事があるのか?」
「おかしい事しかないよ!なんで貴方が俺の2号ちゃんなんだよ!」
「それは、下界においての妾と貴様の関係性がわかりやすくするためじゃ」
こんな見た目がロリに手を出してたら、完全な性犯罪者だし。もし、それが大丈夫でも第2夫人って体裁的にどうなのよ。
「俺ってまだ第1夫人すらいなんだけど!」
「この世界でゆっくり作ればよかろう」
「それでも節操の無い男って思われてもな」
「貴様は、この世界でも有数の魔法使いになれる実力を得たのじゃ。強い男なら女を多く囲って何も問題ないじゃろ」
俺の世界の倫理観と天界人の倫理観は、ズレているようです。
「妾の後を継いだ第8代『死に決めの神』は、女を3桁ぐらい囲っておるぞ」
「そんなに相手出来ません。生まれてこのかた彼女もいた期間は短いのに」
「これでも少ない方じゃぞ」
「3桁で少ないって…」
神様ってやる事が人間の常識を超えている。
話が噛み合わないな。
一旦この話は置いておこう。
俺は、自分にかけられた疑いを晴らすために、イヴ様に状況を話し、兵士達に無実であると説明してもらう事にした。
「すまぬな、兵士どもよ。こやつは妾の連れである」
「そうでございましたか……貴族様になんと失礼な事を…誠に申し訳ありませんでした!」
「申し訳ありませんでした。どうか!お許しくださいませ!」
イヴ様に対して兵士達は、さっきまでの態度と一変していた。
即座に土下座をして、謝罪を始めた。
イヴ様の服装は、平民が着れない様な上等なドレスである。兵士達は、イヴ様を貴族の娘と勘違いしているのだろう。
平民が貴族の関係者に手を出したのだ。その場で殺されても文句は言えない。
実際、イヴ様は貴族よりも偉い人であるが黙っておこう。
元神様ですよって言ったら笑われてしまうだろうし。
イヴ様は、クリスから降りて俺に近づく。
そして、俺の手を握ると
「それと妾は、こやつの女じゃ。次は無いと思え」
「ははぁ!有難き、お言葉!」
「ありがとうございます!」
「うむ、立ち去るが良い」
「「はっ!」」
兵士達は、イヴ様の許しが出た途端に逃げる様に立ち去っていった。
「イヴ様って寛大なんだな」
「下等種である人間を殺したところで面白くもない」
「俺も下等種の人間なんだが」
「貴様は特別よ」
「なんで俺の評価は、そこまで高いんですかね?」
前の世界じゃ高卒の底辺ドライバーだったのに。
普通の女性なら未だしも神様に好かれる理由はない。
「ふふ……なぜじゃろうな?」
金髪ロリゴットの笑みは、見かけ不相応のエロさが出ていたのだ。
こんな下等種の人間の頭では、ゴットが何を考えているかわからないな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
異世界転移して時間も経たずに妻と性奴隷を持つことになった。
他の男からしたら羨まれるかもしれないが家なし、職なしのホームレス状態じゃ、この状況は喜べない。
「俺達は金が無いんだけど、イヴ様は金は持ってきたのか?」
元神という身分だ。凡人では過ごせないような豪華な人生…神生を送っている筈だから、資金も相当持っていると思う。
「なぜ妾が下界の通貨など持って来なければならん?」
「え、無一文で下界に降りてきたの?」
「左様じゃ。神の妾にとって金が無いといけない生活は送っとらんし、天界自体が通貨という概念がない。天界じゃ飲食をせんでも生きていけるからの」
確かに天界人が俗物にまみれた生活を送る筈はない。
「じゃあ、クリスとイヴ様は食事などはしなくても生きれるって事?」
「天界ならな。下界に降りた場合は、生き物として存在するから飲食は必要じゃ」
「じゃあ、早く職と家を見つけないと毎日がサバイバルになっちゃうよ!」
「それも面白そうじゃの〜」
何を呑気に言ってるだ、このロリBBAは!
「イヴ様は、何しに下界に来たの!?」
「だから、人間の営みを味わいたいのじゃ。神の仕事など味付けのない料理を毎日食わされているようなものじゃぞ。貴様ならどう思う!?」
「それは、辛いですね」
毎日、机に座って書類にハンコを押して、違うお偉いさんに指示を出して、こんな
「ようやく、退職できたのじゃ…妾は好き勝手生きるぞ」
なんと見た目相応なのか不相応なのかわからない事言ってるのか。
「なら、私達の得意分野で仕事を探した方が良いですね」
クリスは久しぶりに話に入ってきて、まともな事を喋り出した。
「確かにそれは一理あるな……俺は死神としての仕事もこなさないといけないから、冒険者でも前線に行けるような職じゃないといけないな」
「なら、冒険者ギルドに行ってみましょう」
「そんなのがあるのか……」
「最近は、戦争がないから盗賊も少ないので働き甲斐がないんですけどね」
「昨日は出てきたじゃん」
「あれは、たまたまですよ…私達が路上で寝てるのに襲われなかったでしょう。それぐらい、この世界は平和なんですよ」
日本人の感覚で言うと路上で寝てても襲われない事が当たり前だと思っていたけど、普通はそうはいかない。
欧米で同じ事をしたら追い剥ぎに会うか、殺されてもおかしくない。
こんな、科学が発展途上の世界なら尚更である。
「それか、死刑執行人ですね」
「それはリアルな案だな」
それなら死神の仕事も効率的に行える。
「ならそれで……」
「でも、それじゃ国家公務員にならないといけませんね」
「試験もあるの?」
「勿論ありますよ。多分、最難易度の試験ですね」
この時代じゃ、公務員の学校もないしな。
日本語ですら、まともに喋れない高卒じゃ厳しい話だな。
「なんじゃ?何が難しい」
「イヴ様…そう簡単に合格出来るようなもんじゃ…」
「必死こいて勉強すればいい事じゃろ。なぜ、努力もせんで文句ばかり言う?」
正論過ぎて言い返せないです。
「今からじゃ資金調達に間に合わないし」
「そうじゃな……やはり、冒険者ギルドに行ってみようかの」
そう言うとイヴ様は、目的地に歩き出した。
「場所はわかっているのか?」
「妾の頭の中には、この世界の地図が入っておる」
さすがゴッド。
このロリBBAの頭にある地図を国に売りつければ金になるのでは?
それが可能ならやっているだろうし…多分、ダメだろうな。
俺にゴッドに逆らう勇気はないな。
つづく
轢いた死神の代わりに異世界で死神始めます ヤミネad @yaminead
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。轢いた死神の代わりに異世界で死神始めますの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます