門前の小僧、お師匠様と和歌を詠む

@poketan

旅出であります!

時は江戸時代 小さなお寺に小僧とそのお師匠様がいます。


「お師匠様、おはようございます。」

「おお、朝から掃除かい、感心じゃ。」

我の師匠は和歌の名人!と地域で名高いのです!特に色々なお花をよく知っています。

「お皿を焼いてくれんか?葵を植えんと」

「はい!お師匠様」

泥を集めて帰ると筆と短冊を持って師匠が待っていらっしゃいました。詠んだ句がこちら、


葵植う 水切りの皿 作らむと

する我の弟子 泥にまみれて


「お師匠様の歌詠は感動的です、なら我も一句読みます。」


葵持つ 師匠の髭と 泥と床


「髭は関係ないじゃろ。」

「茶色と白の対比がベストなのであります。」


作ったお皿で植えた葵の花は白く、とても綺麗です!冬葵という言葉もあって雪のような白さが特徴です!ちなみに、冬葵でも夏の季語になるかもしれないです!


ところでお師匠様の様子が最近変なのです。お寺を片付けなさっているような。旅の準備でもなさっているのでしょうか。


かんかん照りの朝


「お前には今までお世話になった。すまない。旅に出たくなったので、寺は任せるよ。」


と伝言を残したお師匠の読んだ短歌がこちら。参勤交代の武士の気持ちを読んだらしいです。


起こすまじや 信玄袋 端金

江戸へいくのに つらなる山々


「お師匠様、おはようございます!」

「もう私は、ここには来ないよ。」

「なら、私もついていくです!」

「陸奥までついてくるのか?」

「はぁ、師匠の短歌読みましたよ。」


いかむ行かむ 信玄袋 めくる我

いくのを超えむ 君と行かむず


この句をキッカケに着いていけたです!


ついに旅の始まりです!

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