第20話 大いなる大望


「う〜ん説明せつめいするの苦手にがてなんだが……じゅんうとそだな……まず、みんなのゆめをなぜかなえたいとおもったのか、それは………。」



       「それは………?」


「それは…デフォーがおれをヒーローっておもってくれたようおれには3にんがヒーローなんだ……だから3にんがなりたかったモノにおれもなりたいとそうおもった」


レオはともがすべてである。


     「レオらしいな……」


     「うん…グスッ」


レオのこたえにスティーヴは、あらためてレオが、友達想ともだちおもいであること確認かくにんし、デフォーは自分じぶんもレオからヒーローってわれたことが、たまらなくうれしくて涙目なみだめになった。


「で…なんで天使てんしなんだ?」


としみじみしているスティーヴ、デフォー、の2人ふたり横目よこめにウィリアムは、はなしをすすめようとする。

どうやら、天使てんしゆめとの関連性かんれんせいが、になってしょうがないみたいだ。



ところで…………。

レオたち談笑だんしょうしているなか、それまで4人よにん会話かいわ見守みまもっていた、ディエールやアルテミス、ほか天使てんしらは、レオの天使てんしになる発言はつげんにそれぞれちが感情かんじょういだいていた。


「あの人間にんげんなに勝手かってことを………。人間にんげん天使てんしになるだと…………。」


アルテミスはいきどおり。


「はっはっはっ。おもしろいだ。」


ディエールは大声おおごえわらっている。


「いや……わらっている場合ばあいでは…。」


アルテミスはそんなディエールの呑気のんきさに、さらにいきどおった。


「………私達わたしたちいやしのちから拒否きょひし、信仰心しんこうしんさえもわせていなかったかれが、なぜ天使てんしになろうとおもったのかはわたしも、になるところです。アルテミスくん…そういきどおらずにかれはなしをいてみましょう、はっはっはっ。それに…かれ不思議ふしぎちからっています、これからせまりくる危機ききアダムの子ら人間達でこの世界全体せかいぜんたいを、こと大事だいじなのかもしれません。」



「ウィリアム…俺達おれたちゆめ天使てんしじゃねぇとダメなんだ。」


「?だからなんで天使てんし……」


「まぁけウィリアム……」


そうともこえさえぎったレオのかおは、ゆめようとしなかったときおとこかおとはちがい、ゆめきるおとこかおになっていた。


        「おぉう…」


ウィリアムはそんなあつひとみ宿やどったレオに圧倒あっとうされる。それはスティーヴ、デフォーもひとしくである。


「なぁ………みんなのゆめの、大統領だいとうりょう保安官ほあんかん医者いしゃゆめは、この世界せかいくしたいとのおもいからきているとおもう……だろ?みんな」


「うん…たしかにこまっているひとくるしんでいるひとすくいたいのは、結果的けっかてき世界せかいくしたいってことだから……」


      「うんうん」


デフォー、ウィリアムはスティーヴの言葉ことば賛同さんどうした。


「でな、その3みっつのゆめ大雑把おおざっぱうと、保安官ほあんかん悪党あくとうつかまえる。医者いしゃはケガ、病気びょうきひと治療ちりょうする。そして、大統領だいとうりょうくに1番いちばんえらやつだから、くに全体ぜんたいくする義務ぎむがある……。それらのゆめは……どれもこれもハンパねえ努力どりょく必要ひつようゆめだ…そんな夢達ゆめたちおれ全部ぜんぶかなえたいとおもっている。そのゆめがバカなおれでもムチャで無謀むぼうことだってのはわかる………現実的げんじつてき不可能ふかのうちかいって…だけどよ気付きづいたんだよな、天使てんしになればこの3みっつはかなえられるかもしれぇってことを……みんなのゆめかなえられるってことによ。」


        「あっ!!」


スティーヴはなにかに気付きづいたようこえをあげた。


「………そうか、そういうことかレオぼく天使てんしいとおもう!」


かんいスティーヴはレオのいたいことが、なんだかわかったようだった。


「スティーヴ!!だろ!?あはっはっ!」


レオは彼等かれら4にんのリーダーであり利発りはつなスティーヴに後押あとおしをしてもらえてうれしかった。


だがデフォー、ウィリアムはなんことだかさっぱりわかってない。レオはそんな2人ふたりけてつづけてはなしだす。


「なぁデフォー、ウィリアム……こうおもわないか?俺達おれたちまえあらわれた天使達てんしたちは、保安官ほあんかんのように悪党堕天使つかまえ、医者いしゃのようにケガしたひとなおした……まぁおれ拒否きょひしたが。」


レオは最後さいごボソッとちいさなこえつぶやくようにった。


     「あっそういえば…。」


「うん、たしかにレオにぃうとおりかも…でもスティーヴにぃ大統領だいとうりょうゆめは?」


デフォーはスティーヴのゆめけていることづき、それを指摘してきした。だが指摘してきにもレオはなにもあわてることもなく動揺どうようもせず、レオはスティーヴをやった。するとスティーヴはレオにニコッとわらいかけうなづく、それをたレオもニコッとわらう。


「スティーヴのゆめ…もちろんあるよわすれるわけねぇ……。デフォー、むかしな…スティーヴが教会きょうかいいのりの時間じかん神父しんぷからおそわったていうはなしを、おれかせてくれたことがあった。まぁ当時とうじはまったくみみたずにながしていたけどよ。」


「たしかにあのはなしをしてたとき途中とちゅうからレオは居眠いねむりしてたな。あははは。」


「あんときわるかったなスティーヴ」


レオはバツがわるそうにあたまをポリポリかいた。


「ゴホン…と…とりあえずはなしをすすめる……そのいたはなしだとよ、天使てんしなか天使長てんしちょう|なるやつがいて、そいつはどうやらかずいる天使てんしなか頂点ちょうてんやつらしい……でな、ここからが大事だいじだ。天使てんしくらいによってまも範囲はんいやらなにやらがおおきくわる。ひとから都市としくにへとそして、天使長てんしちょう天使てんしなか頂点ちょうてん存在そんざいだから、天使長てんしちょうまも範囲はんい世界規模せかいきぼだろうと……こ…これであってるかスティーヴ?」


「カタコトだったけどレオにしては満点まんてんだよ。あははは。」


        「お…おう」


ちゃんといていなかったレオは、うるおぼえだったがわりかし説明せつめいできてたことにすこしホッとした。

そしてレオはここからおおいなる大望たいぼうかたりだす。


「……天使てんしになるゆめづいたときな…そのはなしもフッとおもした。そうおもした瞬間しゅんかん……おれ天使長てんしちょうになってこの世界全体せかいぜんたいまもりてぇ…天使長てんしちょうになってこの世界せかいをあんなクソ野郎達やろうたち罪深つみぶかもの堕天使だてんし)からまもり、スティーヴ、デフォー、ウィリアムに、この世界せかいはサイコーだぞ。って胸張むねはってえる、最高さいこう世界せかいにしたい、いやするってめた……絶対ぜったいに」


そうったレオのこころからは、ともうしなった失意しついが……えさっていた。


「その言葉ことばけてぼくうれしいよ……そうか、レオにけっしてるがないゆめができたのなら、今度こんど僕達ぼくたちがレオのゆめ応援おうえんする……レオが僕達ぼくたちにそうしてくれたように………。ねぇみんな!!」


        「だな」


        「うん!!」


      「ありがとうみんな…」

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アンゲロイ〜天使転生〜 大熊直人 @kumakuma8623

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