ポトス

作者 AKARI

36

13人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

主人公の“自分のこころ”に誠実な部分にとても共感できました。

短編ですが、卓越した心理描写が作中に散りばめられていて、小説としてすごく面白いので、読後の満足感を十分に得られると思います。

日々の喧騒のなか、ホッと一息つきたいな…と思うようなとき、ふたたび手に取ってみたくなるような、どこか優しい…何気なさを持った作品です。

※最後まで読まないと、ホッとしないかもしれませんが…




★★★ Excellent!!!

自分を大事にしてくれない恋人と、このまま一緒にいていいのか。主人公美希のそんな悩みからスタートする本作。

恋愛における「このままか、断ち切るか」が主題にはなっていますが、美希が問題としている本質のところは、例えば「彼との未来は」とか「ほんとに好きなのか」みたいなところとは少し違った場所にあるように思えました。

希望と現実とが合致しない状況の中でどう決断し、動くか。
その答えはきっと掴み取るようなものではなく、例えば久しぶりに会った昔の友達との会話でふとそれに気付いた美希のように、背中を押してくれる流れとの出会いから生まれるものなのではないかなと思えました。
だから美希がひとつの決断にたどり着いた時、私はすごく爽快な気分になりました。

ささやかなことの積み重ねが人生を動かしていく。次の一歩を踏み出すための力に溢れた、優しくて強い物語です。