第2話 放課後、アンサンブル!
「ねぇ、さな。」
「え、なに!?」
「今から行くんでしょ?体験入部。」
「うん、行こうかな。」
私はホルン好きだし、何より…
「この学校、強豪校だしね!」
今思えば、この時の私はなんて馬鹿だったんだろう…。何故、こんな勘違いをしたのか。今でも自分のことなのに全然分からない。
「え?ここって、支部大会も行ってないわよ?」
このときは奏が嘘をついている。あるいは、勘違いしてるのかと思った。
でも、勘違いしていたのは私の方だったのだ。
…
「なんで教えてくれなかったの!?」
「いや、、だって、…っ。あんたがこの学校を強豪校だと思ってたなんて知らなかったのよ。 …っ。」
私が盛大な勘違いをしていたことにツボに入ったみたいだ。全然笑い事じゃないんだけど…。
「まぁ、そんなことは置いといて…」
「置いとけるか!」
また奏が大笑いした。この子、以外にめちゃくちゃ笑うんだ…。
「教室に行って直接聞いたら何か思うことがあるかもしれないわよ?めちゃくちゃ上手かったり…。」
「上手かったら支部大会行ってるでしょ…。」
「ま、そうでしょうね。」
…
「ここか〜。以外に教室から遠いね。」
「新館だからね。」
そう。この学校の音楽室は2つあり、ひとつは本館でもうひとつは新館。基本、本館の音楽室は音楽の授業で使っていて、新館は…まぁ、いわば吹奏楽部限定らしい。
残念なことに私たち1年生は本館の3階に教室があり、新館の音楽室は3階。まさに、端から端なのだ。
「…体験入部っスか?」
小柄で私よりも何センチか小さいその人は、黒髪ボブでマスク、目付きが少し悪く、若干不良っぽい人だった。
「1年生…?ですか?」
「失礼な。つばさは3年っス。」
しまった!
「すみません!」
「いつもの事だから気にしてないっスよ。」
見た目に反して優しい人…っぽい。
「それより、体験入部ッスか?」
「はい!」
私達は同時に返事をした。
つばさ先輩に連れられ、音楽室に入るともう何人か既に1年生がいた。
「君達、中学の時吹部だったんスか?」
「はい!私はホルンで…。」
「私はオーボエでした。」
「なるほど。ちなみにあたしはトランペットっスから関わることが多いと思うっス。あ、そっちの子ね。」
と言って私に目線を向けられた。ホルンとトランペットってそんな関わるっけ?
「ま、まだ楽器も決まってないから分からないッスけどね。」
「はーい!みなさん!泉代高校吹奏楽部にようこそ!私は部長の佐野 瑠璃香です!よろしくね!」
ものすごくハキハキした喋り方だ。
「これから楽器紹介を始めます!」
ハレノチ吹部! 小鳥遊 陽稀 @Ki_yo_1341
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ハレノチ吹部!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます