泉代高校吹奏楽部、体験入部!
第1話 初めまして、よろしくホルン!
初めまして。花咲さなです。今年の冬ももう終わり、暖かな風と共に桜が咲く季節になりましたね。
…なんてこと、校長先生や代表さんは言うんでしょうね。
今日は入学式です!待ちに待った華のじぇーけーですよ。泉代高校は一応進学校で私はその普通科。私、国語と社会は得意なんだけど理数がね…。それに理数…って。やばい。普通に遅刻しそう。早く行かなきゃ!急ぎながら失礼します。ちなみに私、三重県の津市住みで泉代高校は鈴鹿にあるの。だから電車通学。ちょっと時間はかかるけど、これもいいような気がする。
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入学式終わったーーー…。てか待って。このクラス同じ中学の子いないじゃん…。元々少ないからな〜。頭いい子は四日市北とか、他の子は大体近場とか…。あんまりいないなぁ〜。
「ねぇ、そこ私の席なんだけど。」
「え?」
嘘だ。ちゃんと確認したはず…。
「あなた、窓際。反対よ。」
「あ、ご、ごめんね!教えてくれてありがと…!じゃ、」
「待って。」
え、なになになに?
「あなたのそのキーホルダー…。」
「え、あ、これ?これ、ホルンの…」
「あなた、吹奏楽部入るの?」
「う、うん。多分…?」
「そう。私は天宮奏。私も吹部入りたいと思ってるの。よろしく。」
長いまつ毛を持ち合わせた瞼を少し閉じさせ、口角を上げ、長くて茶色い髪を耳にかけるその姿はとても綺麗だと感じた。
「…たは?」
え?
「あなたの名前は?」
「あ、あ!私は、花咲さなだよ!好きに呼んでもらっていいから!」
「そ?じゃ、さなって呼ばせてもらうね。」
「うん!じゃあ、また後でね!」
「えぇ。」
とても1ヶ月前まで中学生だったとは思えないほど大人っぽい奏さん。絶対モテるやつだ…。
こうして私は、新たな高校3年間の幕を開けることとなった。
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