ハレノチ吹部!

小鳥遊 陽稀

プロローグ

3年間吹奏楽をやってきて、最後のコンクール。

「絶対、全国行こう。」

私が×××と何度も言い合った言葉が、何度も頭に響く。

「1番、城浜中学校、銀賞。」

「2番、笹野中学校、金賞。」

黄色い悲鳴が会場内に響く中、他の学校は泣きそうになっている人や、手を合わせて願っている人など、様々な人がいる。そして。

「16番、神辺中学校、銀賞。」

頭が真っ白になった。私達は、ここで終わったんだ。支部大会で、終わったんだ。


表彰式が終わってから、思わず私は×××を探した。でも、×××はいなかった。

「ねぇ、×××は?」

「え、分からない。」

泣きながら答えてくれたのは、フルートパートの麻美だった。

みんな、悲しいんだ。去年は県大会終わりで、今年こそ行けると思ったのに。

そのあと、×××と会っても喋ることは無かった。

バスの中はとにかく暗かった。

私は家に帰った途端、いつの間にか涙が零れていた。


「先輩の悔いを晴らせなかった。私が、…部長だか、ら、しっかりしないと…いけなかったのにっ…。」

いつまでも、いつまでも零れ落ちてくる涙を止めることは出来なかった。

「私のせいで…。ごめん……なさい…。」



この日はとても暑かったはずなのに、とても寒かった。

そして、私の3年間は幕を閉じた。

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