第15話 朕と令嬢と強行軍
「ここからはスピード命ですわ!!帝国側に知られる前に乗り込んでしまいますわよ!」
「「「オオオオオオオオ!」」」
マリアの声と共に進軍スピードがぐんと早くなった。皆駆け足で帝国を目指していく。
しかし体力が持つのか?何日到着の予定なのか?
その辺が不透明でなんだか不安になる、、、。
あのマリアの事だ、めちゃくちゃなスケジュールに決まってるわなあ、、、
「おいマリア、走るのは良いけどどれくらいで帝国に着く予定なんだ?」
「帝国には2つの関所含めて、歩けば手続きも含め3日はかかりますわ。しかしシグマの叔父上の事も考えて一日。一日で帝国に着くように計算してますわ」
「いや!!無理だろ!!」
「無理も野菜もドリルもありませんわ!やるんですのよ!ほら!風のように走りやがれですわ!!」
「ふざんけな!!こんな大軍率いてそんな素早く動けるか!!てかお前は馬乗ってるから余裕だわな!!変わりなさい!!その馬の背中から今すぐ変わりなさい!!」
「貴方どうせ馬に乗るとか出来ないでしょう??適材適所、大軍を率いたのも考えがあってですわ。私は別に貴方とシグマの3人で帝国に乗り込んでも良かったんですけど、、、」
ぐぬぬ、、、馬に乗れないとか決めつけよって!
正解!!乗れません!!考えがあるなら馬は今回は見逃してやるか。乗れないから見逃すんじゃないんだからね!!
そうして駆け足で走ること3時間。ひとつ目の関所が見えてきた。
関所を通り抜けるには普通なら専用の符なんかが必要だが、そんなもの俺らは持っていない。
シグマとマリアは一体どんな知恵で通り抜ける気なんだ?そんなことを考えているとシグマが声を上げた。
「マリア嬢!関所が見えてきたのだ!!」
「よろしい!作戦通り行きますわ!チーム・マリアファミリーの皆様!!出番でしてよ!!前に!!」
「ヒャッハー!」「ついに出番だぜぇ!!」
「お前ら!ボス名前に傷つけるような事すんなよ!」「うるせぇ!わかってラァ殺すぞ!!」
「ここからマリアファミリーの伝説が始まるぜぇ」
街のギャング共がぞろぞろと前に来た。まじかぁ
なんだか嫌な予感というか、もう嫌な未来しか想像できない、、、。
「それでは行きますわ!全力前進!!関所をぶち抜きますわ!!帝国側の兵士は1人残らず殺さず生捕り!逃してはこちらの動きがばれてしまいますわよ!!突撃!!」
「「「ヒャッハー!!」」」
とんでもない奴らが出ていきました。
荒れ狂う世紀末な奴らの突然の襲来に関所にいた帝国軍人はなす術なく蹂躙されていき、そこで暮らす民間人も一応の保険として縄で縛り逃げられないようにしていく。そのスピードといったらまさに風。
伊達にいろんな犯罪まがいな事をしてきた奴ら。
縛り縛られな生活がマッチして縄で縛るのも上手い上手い。民間人なんてふんわりとしていながらしっかりと縄が固定されていて俺はとっても感心しました。
「よくやったのだ!!皆のもの作戦通りに軍を分離させるのだ!!まだまだ前哨戦!ここらさらに加速するのだ!!」
「「オオオオオオオオ!」」
「えぇ、、、休憩とかできないの??てか作戦って俺聞いてないんだけど??」
「貴方は私達と帝都に乗り込むんですから作戦なんて知らなくっても関係ないですわ」
「それでも教えといてよ!仲間はずれ良くない!
あと休みたい!!足痛い!!!トイレ!!!」
「その辺の草むらでお済ませなさい。この戦いが終わったらゆっくり出来るんですから根性見せて下さいな」
「ちくしょぅー!!!」
こうして軍の三分の一を関所に残し進軍を再開した。走ること2時間、二つ目の関所が見えてきた。
正直もう息も絶え絶えだ。休みてぇ!休みてぇよ!
「マリアファミリー!突撃!!」
「「「ヒャッハー!!」」」
「はぁ、、、疲れた、、、。もう絶対筋肉痛だもん。つらいなぁ、、、」
正直もう帰りたい。次からは馬に乗れるように
コソ練しとかなきゃと独り言を呟いていると、ふととある物が目の前に飛び込んできた。
「なっ!!こっ、これは!!」
小屋の裏で目の前に広がる桃源郷。ピンクな表紙
レディーのあられも無い姿が映されている雑誌!
これが帝国の最新技術の結晶なのか?噂には聴いたことがある、、、何代前の皇帝がそれはもうスケベでそう言う文化が大いに開花したとかなんとか、、
関所の裏には宝の山が!そうエロ本が捨ててあった
捨ててあるなら仕方ない。やぶさかではない。
捨ててあるものは拾うのが俺の人生なのだ。
これは神からのご褒美も良いでは無いか?
うんうん!
そうしてステキな雑誌を一旦3冊ほど胸の中に忍ばせ更にステキな物を物色しようとした時であった、、、
「やっと見つけましたわ!こんな所に居ましたのね!!さぁ行きますわ、、、よ、、、?」
マリア様登場である。
「そこに捨ててある卑猥なものはなんですの?」
「さ、さぁ?帝国のものっぽいよ?!何というか、、、女の子はあんま見ない方が、、、」
「ここここ、こんなものは毒ですわ!!!」
マリアのドリルが今日1番の唸りを上げ宝の山を蹂躙した。あぁ!!やめてくれ!!まだ全部吟味してないのに!!酷いよ!!酷いヨォ!!
「ハァ、ハァ、、、早く行きますわよ!!」
「あ、はい。」
鬼のような顔になっているマリアにビビり倒して、
胸に収納したお宝がバレないようにシグマ達の方へ合流した。作戦はうまく行ったようで見事に皆縛られていた。
「皆のものご苦労だったのだ!!あとは帝都を残すのみ。ここからは危険も計り知れないほど増える。今までのように乗り切れないかもしれないのだ。それでもついてくる、ついてきてくれる覚悟がある者はいるか!?」
「「「オオオオオオオオ!!」」」
今さら水臭いですよー! 帝国たおすぞー!!
シグマ様最高!! 国乗っ取りじゃー!!
様々な声が上がる。シグマは嬉しそうに顔を綻ばせ
皆感謝するのだ!!と声を張り上げ皆の士気をあげた。
「なんだ、意外とシグマうまくやれてるじゃん」
「選ばれ器と言うのは大きく分けて2通りですわ」
「どうした急に?」
「力と権力で支配して圧倒的カリスマで持ってその場を収める者。どこまでも澄んだ心で深く受け止め皆と共にその場を収める者。そのどちらも正解であり間違いでもありますわ。それでも私は後者のような人間が好きですわ。シグマのように、、、」
「マリアは前者だもんな」
「ぶっ飛ばしますわよ!!」
「
「うるせぇですわ!不快ですわ!ギルティですわ!!」
「やめっ!やめて!!酷いことしないで!!」
「目を離せばすぐ2人ともふざけているのだ、、、マリア嬢に友よ、出発するから気を引きしてほしいのだ。」
「「わかってるよ(ますわ)」」
ふざけるのをやめて気をグッと引き締め直す。
これから乗り込むのは帝都。それも王宮だ。
血の気の多い所だからマリアの時とは比にならん
くらい危険なはずだ。何より胸の中にあるこのお宝本の為に生きて帰らねば!!
「帝都目指して進軍開始なのだ!!」
こうしてまた軍を関所に残し、ヘトヘトになるまで走らされ俺たちは陽が落ちる少し前に帝都に到着したのであった。
例え世界が滅びても拾いモノはやめない。 ナルスン @nnn1231
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