第2章 1-0(仮

もともとは白い塗装の茶色が目立つシャッターのボタンを押すと金属の軋る音がしながら、おそらくはぴったり32秒で全開になる。


自分の分はまだ乾いていなかったので認証タグのついたフジムラのツナギを借りて定時になると必ず出る感じの故障を直して、日勤終業後に来る業者の受け入れを準備しに向かおうとして……おそらくはそこで死んだ。


が、今日の夢は少し違った。

シャッターが開くと神っぽい何かがいた。


「古き神とこちらでは呼ばれているものです。」

「時間がありません。手段を選ばず信仰を集めるのです。」

「ただし、戦争はダメです。私に仇なすものの力が強く……」


こちらからの返答は何度かしたが聞こえていないようである。

まあ、だいたい神というのは向こうの理屈で一方的に指示をするものだ。

自分がゲームをする時と変わりはしない。


となると、うかうか異世界サラリーマンなどやってはおれない。

人々は苦しい時に神に祈る。


そう、これから目指すべきは異世界悪徳領主。搾り取るためにはまずは苦しみながら生き抜いてもらわないとならない。

先日の件はその第一歩というところた。


「かの者とのつながりを大切にし、古き神へ祈らせるのです。」


そう言い残して古き神は消えた。

目も覚めた。


RTSもワーカープレイスメントゲームも嫌いじゃない。


面白くなってきた。

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