先輩と、後輩。
ラクドに入った僕と和泉は、僕は着替えるためにロッカーに、和泉は空いてる席に座った。
僕は着替えたあと、すぐにハンバーガーを一つ作り、バイト仲間のお姉さんにお金をレジに入れておいてくれるように頼んだ。
その時にお姉さんに、
「なになにぃ〜?彼女?」
と少し煽るように聞かれたので、
「そんなんじゃないですよ。」
と返しておく。
レジを出る前に、メロンソーダをMサイズの容器に入れて和泉のとこへ向かう。
すると和泉は驚いた顔で、
「えっ…?先輩。まだ私頼みに行ってませんけど?」
「いいよ、今回は俺のおごりだ。ちゃんとお金も払っておいたから気にするな。」
和泉は照れくさそうに、
「あっ…ありがとう…ございます…。」
「ちなみにこれにはなんのジュースが入ってるんです?」
「メロンソーダだけど、炭酸飲めなかったか?昔、学校の帰りに一度飲んでたような気がしたからそれにしたんだが…。」
後輩は少し驚いた顔で照れくさそうにつぶやいた。
「わざわざありがとうございます、先輩。今日のバイトが終わったら声かけてくださいっ!一緒に帰りましょ!」
「おう、分かった。じゃちょっとまっててな。」
そう言って先輩は、レジの方に向かっていった。先輩の背中がいつも以上にかっこよく見えた。だって仕方ないじゃん、先輩わざわざ私に気を使ってくれてるんだもん。
「先輩の前で一回しか飲んでないメロンソーダをなんで覚えてるんですか…!」
炭酸ジュースを飲むのって女の子っぽくないかなと思って先輩の前では大好きなメロンソーダを飲むの控えてたのに…!
私は先輩から奢って頂いたメロンソーダを少しずつ飲む。炭酸があるのに、顔が微笑むほど優しい味だった。
「今まで飲んだどんな飲み物よりも美味しい…!」
頬が紅くなっていくのがわかる…。
もう先輩早く告白しやがれ…!まったく。
すると、メロンソーダを飲んでいた私の前に一人の端正な顔立ちをした女子高生が前かがみでやってきた。
「あのすみません。もう席が余っていなくて…、相席をお願いできるかしら?」
私はあまりにも美人な方にびっくりしてぽかーんとしてしまった。ああいけないいけない、戻ってこい私。
「あっ、はいどうぞ!」
すると彼女は申し訳なさそうに席に座って、
「わざわざごめんなさいね。私は倉敷奏。あなたは?それと一人で何をしていたの?」
「私は和泉唯といいます!何をしてたかと言いますとここでバイトしてる先輩待ちですっ!」
「あらそうなのね。」
話すうちに倉敷?さんと仲良くなっていった。
「その先輩が全然私の行為に気づいてくれなくて!ほんとに困ったものですほんとに!」
「頑張りなさい、ずっと続けていればいつかきっと叶うわ。継続は力なりよ。」
「はいっ!これからも頑張りますっ!絶対に落としてやるんだから!覚悟しててよ!先輩!」
「そのいきよ、応援してるわ。ところでいつその先輩とやらは来るのかしら?」
「そうですね…もうそろそろ終わると思うんですけど…」
なぜかこの瞬間私は凄く寒気がした。
「おーい和泉!バイト終わったから帰るぞー!」
俺は歩いて和泉を招いた席まで歩いていく。
すると、話し声が聞こえてきて、和泉が誰かと話していることを察した。
「和泉ぃー?誰と話してるんだ?」
和泉を招いた席につくと、そこにいたのはまさかの倉敷先輩だった……。
って!え!!なんで倉敷先輩が和泉といるんだ!?
美人先輩と俺の恋愛ゲーム やみやみ @rukinasonic
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