憎しみ、苦しみ、優しさ、嘘。その全てが痛くて、その全てが愛だった。

冒頭から引き込まれる展開。どういう関係なのか、どうしてその行動に至ったのか、多くを語らずとも掴んで離さない魅力的な登場人物達にひかれて読み始めました。
最初の方こそ、ただただ格好いいセイさんに胸をときめかせ、ただただ可愛い夕貴にやっぱり胸をときめかせ、(しまいには麗さんにも胸をときめかせ笑)、そんな浮わついた気持ちで読み進めていきましたが、物語が進むほどに、複雑に絡む事情と、関係と、感情で、それは切なさや痛みに変わっていきました。
苦しみながらも縮まっていく二人の距離の間に、ずっと消えずにある、あの日の“契約”。
後半からラストまでは、何度も泣いてしまいそうになりました。

ハートも星も、押し足りないくらいです。素敵な作品をありがとうございました。