第3話
目を開けると目の前には先程見た草原が広がっていた。
早速、ステータスを見てみる。
ステータスはなんてこと無かったが、スキルに女神の加護というものがあった。
女神の加護 レベルに応じてステータスが上がる。最大2倍
そして装備にCB400Fとあったので装備してみると目の前には赤と灰色の馬より大きい狼が現れた。
「クゥン、ワフワフ」
と懐いてきたので
「ははは、よしよし。そうだ、お前の名前はフォアだ」と撫でてやると喜んでいるようだった。
とりあえずステータスウィンドウ出来になったのはこれくらいだ。
「よし、まずは街に向かおうか」
と、フォアに言うと体を低くして吠えた。
「背中に乗せてくれるのかい?」
「ワウワウ!」
フォアの背中に乗るとフォアは直ぐに駆け出した。
「おぉ、これはすごいな。」
まるでCB400Fに乗っている時と変わらない加速、乗り心地に思わず声が出た。
俺はフォアと一緒に風を切った。
街までは意外と早くに着いた。
と言うよりフォアが早すぎたのだ。
門に着くと門番が震えながら槍を突き出していた。
「なぜ紅狼が、こんな所に!」
「早くギルドに行って助けを呼んでこい!」
阿鼻叫喚の様子だった。
俺はフォアから降りて門番に話しかけた。
「この狼は私のペットなんだが、何か問題があるだろうか?」
俺の落ち着いた物腰に少しは冷静さを取り戻したようだ。
「あなたのテイムモンスターでしたか。失礼ですが、どこからこられたのですか?」
俺はなんて答えようか迷ったが真実を少しオブラートに包んで言うことにした。
「遠くから旅をしてきたんだ。こいつは私の護衛兼乗り物さ。」
「そうでしたか、失礼しました!紅狼をテイムするなんて素晴らしい腕前ですね。」
どうやらフォアは紅狼という種類のモンスターらしい。
そうやって受け答えていると街の中から武装した人達が現れた。
門番が事情を説明して彼らは引き返して行ったが、1人の女性がこちらに駆け寄ってきた。
「どうもこんにちは、私はこの街、ワントのギルドマスターのアヤネよ。少しお時間いいかしら?」
「いいですよ。私はナオトです。こっちがフォア。」
「本当に紅狼をテイムしてるのね。じゃあ、ここじゃなんだし場所を変えましょうか。」
そうして、俺は異世界で初めての街に入ったのだった。
無属性の魔法使い ひまり @HIMAnaMARY
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