第3話

すると、狼のお腹の虫が鳴きました。

赤ずきんは、自分を食べようとしていたことを知らなかったので、持ってきたパンとりんごを狼にあげました。

「なあ、なんで女が男の格好しちゃいけないんだろうな」

狼がポツリと呟きました。

それを聞いた赤ずきんは、

「わかるわ、なんで男の子は、女の子の格好をしてはいけないのかしら」

二人は、意気投合し仲良くなりました。


「赤ずきんは、どこに行くんだ?こんな森の中何にもないぜ。あると言ったら一軒の人間が住んでる家だけだけどな」

「そうよ、そのお家にお見舞いに行くのよ、おばあちゃんは、目が見えないから」

「……ふ〜ん、じゃあさ、俺も付いて行っていいか?」

「もちろんだわ。でも、持っていたお見舞いの品がぶどう酒しかなくなっちゃたから、どうしようかしら。ぶどう酒だけだと、寂しいわ」

「ごめんな、俺が食べちまったもんな。じゃあ、花を摘んで行ったらどうだ?匂いだけでも、楽しめるだろう」

「いいわね、お花。早速摘みにいきましょう」

「ああ、あとさ……俺が狼ってこと内緒にしてくれないか」

「?いいわよ」

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赤ずきんくんと狼ちゃん みかん缶 @seafood23sleep

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