第4話 【シニガミ】さんと優しい少年

とある学校。

ある教室の一室で行われているありふれたその光景にだれもが見えていない不利か何事もないように自分が関わっていないからという体をする。

そこにあるは優しい少年の正しい小さな行動とその少年に対しての悪意である。


「いたぁ、またずいぶんやられたなぁ。」

「おい、お前ちょっと来てくれないか遊ぶ人数が少なくってさ一緒に遊ぼうよ。」

「・・・・・・うん、ちょっと待ってて今しているところが終わったら行くよ。場所はどこ?」

「あぁ、いつものところだだよ。」

「・・・・・・わかった。」


「・・・君はなんでやり返さないだ?」

「彼らにやり返すより、今ある友達付き合いをよくしたいから。」

「・・・君の思う友人はあまりそう思っていないみたいだが?」

「それでも俺はそうしたいんだよ。」

「・・・そういえば君はなんでかれらに付き合っているんだい?」

「彼らは前は自分じゃない他の人を誘っていたんだけど、そいつと自分が仲が良くてさ、そしたら今度は自分の方が気に入られてしまったみたいで気が付けば今みたいな状況にねぇ・・・。」

「・・・君は断らないのかい?」

「断りたいけど、断れば今度は他に奴が誘われるからねぇ。それはちょっといやかな。」

「・・・君はもっと他の人と関わっていくべきじゃないかい?」

「人付き合いはちょっと苦手だなぁ。あはははっ。」

「・・・君は、君のために多くの人が悩んでくれているという事を知って言っているのかい?」

「知ってるけど、そうじゃなくてね。自分が大切にしたいと思っている人を助けて今みたいになっているんだから本末転倒もいいところだと思うよ。」



「・・・君は今、じぶんがいじめを受けているという認識があるのかい?」



「あるよ。けれど彼らのことをいじめをしていないと自分たちが仲間ではなくなってしまうと考える弱い人だと思えばいくら手を出されても哀しいとしか思わないよ。それにさ、自分は今彼らからいじめを受けているからといって不幸であるとは思えない。考えてみてくれ、彼らは今自分をいじめているだからこそ大人と広い付き合いが出来ている。それに元々みんなの輪の中に入れるような同調意識が強いわけではないから今の状況はある意味願ったりかなったりではあるんだよ。」

「・・・君はそれでいいのかい?周りに相談して解決できるというのに。」

「公立校の教師の正義感なんて事なかれ主義が良い事例じゃないか。いじめを目撃してもクラスの空気に流されて同調して自分の保身を考えてそれでようやくいじめられている側についた方が理があると考えなきゃぁ動いてなんてくれはしないさ。」

「・・・君はそれでいいのかい。」

「いいんだよ、それでやっと動いたことで余計に他に勢いがいた仕打ちが回るくらいならそれでいい。」

「・・・そんなのは悲しすぎないかい。」

「そうでも思っていなくちゃ、やりきれないのが人だろ?」

「・・・。」

「いいからいいから。気にしたら切りがない、それにいまの人間から残酷さを取ったら社会なんて、格差だってもっとひどいじたいになるじゃないか。」

「・・・君がそれでいいなら私はこれ以上は言うまい。」

「ごめんね嫌なことを頼んでしまった。けれどこんなことで悩まないでくれ。」

「・・・できるわけないだろっ!」

「君は自分みたいなやつからしたらいてくれるだけでも心が軽くなるんだ。気にしないでよ。・・・・ほら、さっさとよそにいけよ。」


「・・・あぁ、つぎは何か話しながら飲もうか。」

「そん時は黙って聞いてやるよ。」




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「・・・この馬鹿が、大馬鹿が、物わかりの悪いダメ野郎。てめぇはなんで自殺なんか選びやがった。なんでてめぇは誰かを大切にするくせに自分が抜けている。」

「・・・俺が話したかったのはてめぇなんだよ今向き合ってるきみの名が彫られてる石じゃないんだ。こうなったらとことん聞いてもらうからな。」

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シニガミさん チャチャマル @jack-in-the-box

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