第2話 ローザのレーニン批判

彼女は社会主義とは云わない。社会民主主義と必ず云う。抑圧された者の解放、働く者の社会を謳った筈なのに、なぜあのような干からびた理想になってしまったのか。彼女の言葉の中に入ってみよう。


ローザはロシア革命に熱いエールと絶対的支持を与えながらも、社会主義にとって危惧するところを『ロシア革命論』の中で指摘した。


「無制限な出版・集会の自由、自由な論争がなければ、あらゆる公的な制度の中の生活は萎え縮み、偽りの生活になり、そこには官僚制だけが唯一の活動的な要素として残ることになろう。公共の生活は次第に眠り込み、無限のエネルギーと限りない理想主義を持った数十人の党指導者が指令し、統治し、現実にはその中の十人程度の傑出した首脳たちで指導して、労働者のエリートが指導者たちの演説に拍手を送り、提出された決議案を満場一致で承認するために時折会議に召集される、ということになろう。つまり、要するに同族政治なのだ・・独裁には違いないが、しかしプロレタリアートの独裁ではなく、一握りの政治家たちの独裁、つまり全くブルジョア的な意味での、ジャコバン支配のような意味での独裁なのである」として、プロレタリアの独裁と党の独裁とは違うと警鐘を鳴らしたのである。プロレタリアの独裁の下での社会主義的民主主義はあり得るとしたのである。


ソビエト連邦、スターリンにおけるあの専制独裁を、レーニンにおけるロシア革命の中にその萌芽を見ていたのである。


今の中国を社会主義と思う人はいない。ソ連方式を受け継いだ一党独裁の中国、経済は解放されたが、香港、台湾を含めた統一には政治改革が課題として残されている。


ここまで読んで頂いたらローザの魅力を伝えられたと思う。でも、もう少し知りたい?ロシア革命からドイツ革命、この時代を知ってもらうのに丁度いいと思う。出来るだけ短く分り易く書いてみよう。

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