(参加作品その7)アイドルの中の人(川島 沢海様)

   

アイドルの中の人



32歳の声優・羽後なお美と17歳のアイドル・西村日菜子は、雑誌の企画による対談後の転落事故で人格が入れ替わってしまう。

日菜子のマネージャーである与謝野の協力もあり、しばらくはお互いの仕事をなんとかこなす二人だったが、日菜子はアニメのアフレコ現場で技術の未熟さから失態を犯して逃げ出してしまう。さらに日菜子の体を侵す病気が悪化し、なお美は倒れる。

やがて、日菜子は幼い頃に自分がなお美へと送ったファンレターに巡り合い、たとえ重病であっても元の体に戻ることを決意する。

与謝野とともに人格入れ替わりのメカニズムを推測して、日菜子のアイドルとして最後のライブを利用することにより二人の人格は元の体に戻る。

なお美は声優を続け、日菜子は活動休止して治療に専念することになるのだった。



最終話URL

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881245231/episodes/1177354054881298371



企画参加時点での最終話PV:279



(私からの一言)

 いただいた『これまでのあらすじ』を読んだだけでも、もう「面白そうな作品だなあ」と感じました。入れ替わりネタというと、昔の映画『転校生』がパッと思い浮かぶのですが、あれは学生同士の話。この作品は年齢も立場も違う二人であり「そこをどう掘り下げるか、それだけでも興味深いし面白そう」と想像したのです。

 そんなことを考えて読み始めた最終話は、まず冒頭から意表を突かれるものでした。いただいた『これまでのあらすじ』のラストで「終わりました」的なニュアンスがあるので、おそらくエピローグのような最終話だろう、とは思ったのですが……。

 いきなり『これまでのあらすじ』に出てこない人物が中心になっている! なるほど、第三者目線から語るのもエピローグならありだな! ……と感じながら読み進めると、単なる第三者でもなかった!

 いやもう、こういうの面白いですね。内容的にも、いかにも「大団円」という感じの最終話。カタカナの「ハッピーエンド」ではなく、昔のジュブナイル小説でよく使われていた「大団円」という言葉の雰囲気を感じてしまいました(これ、完全に私の個人的な感覚なので、自分で書いていて「この書き方で伝わるのだろうか」と心配ですが)。

 いただいた『これまでのあらすじ』で大まかな展開を知っているだけでも、ジーンとしてしまう最終話でしたから……。これは、きちんと最初から読みたくなりますね!

   

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